はじめに、マッチ棒をイメージしてください。
小学校に上がるころ、人一倍頭が大きかった私は、運動以前にバランスを取ることが難しく、不安に思った教育熱心な祖母から「気をつけ!」の特訓を受けていたのを思い出します。います?そんな人?
そんな私は、当然のごとく体育が苦手で、憂さ晴らしのように勉強ばかりしておりました。アイデンティティを失わないためです。これはいますね、そんな子供。
しかしながら、小学校体育の授業の中で、唯一輝くときがありました。
それは、“円形ドッジボール”。
現代の主流は、“方形ドッジボール”ですが、ルーツは円形のほうにあると言われています。円の中に閉じ込められたチームは守備専門で、周囲に散らばったチームが、一方的に攻撃する。ちょっとしたイジメを思わせますが、コンパクトで簡単にできるからでしょうか、冬場はしょっちゅうやっていたような気がします。
私の得意は逃げ回ることでした。
このゲームは、ぶつけられずに生き残るのが目的なので、ヘタにキャッチしようなどと考えなければ、道が開けます。
そして、寒いからといって群れないこと。
いかに肩が強いといっても、小学生、たかが知れています。
なので、攻撃側は、コントロールを意識せず、塊りに向かって思い切り投げるのが常套手段。このとき、群れから外れていれば、狙われる確率が低くなるのです。
いつも最後まで、残っていました。その代わり、ボールをキャッチするような 男
らしいことはしない。
実は、これがボールゲームの基本です。ポジショニングという話。サッカーでもラグビーでも、空いたスペースに走り込むセンスが大切なのです。
この感覚を引きずった私は、「誰もやっていない」「やったことがない」ような
ものを見つけると、近づいていくのが習性となりました。
多数決ならぬ少数決。
ものを考えるときは、反対意見から検証していくのが思考パターンです。
最近読んだナルホド本は『島田紳助の話し方はなぜ9割の人を動かすのか』(久留間寛吉著・あっぷる出版社)です。この中にこういうくだりがあります。
<商売というものは、やってみなければわからないことだらけだ。
喫茶店のことを調べるにつれて、自分がどれだけ喫茶店の常識というも
のを知らなかったかということに気付くに違いない。そして同時に、その
業界の最低限の常識はわかっていないと失敗すると思ってしまうのが、
自然な心の動きだろう。だけど、その常識にとらわれていたら、成功する
店は作れない。なぜなら、その常識は失敗している店の常識だからだ>
これ、じーんと胸に響きます。全くそのとおりだと思います。
みんなと同じようにやっていれば、安心ですよね。ガチャガチャ言われない。
だけど、それで一人勝ちしようたって出来ないし、みんながダメになると同じ
よ
うに沈んでいくことになる。
金融不安が叫ばれ、何社かが経営危機に陥っておりますが、考えてみれば、みんなが同じようなやり方をしているので、当然の帰結ともいえる。
ここで大切なのは、失敗した会社から学び取ることです。
同じ轍を踏まない。
同じやり方は改める。
自社の強みを再認識する。
このことに、早く気がついた会社から立ち直っていくのでありましょう。
そうでなければ、全く新しい業態に飲み込まれていく。 そんな気がしています。
2008.12.3 若林 健