vol.26
猪口邦子少子化担当相が1月の記者会見でぶち上げながら、政府内の賛同を得られずに足踏みしている「出産無料化」制度について、6日の参院予算委員会で激しい議論が交わされた。
追及したのは民主党の蓮舫氏。「(猪口氏が)『検討は煮詰まった段階ではない』とすぐに発言を修正した」と指摘すると、猪口氏は「(出産無料化は)若い世代などから頻繁に寄せられる意見だ」とあくまで「要望の1つ」と早口で釈明してはいたものの、すぐに小泉首相が助け舟を出すなど、たじたじな様子で、トンチンカンなのはドレスだけでないとの印象が強く残ってしまった。
少子化に歯止めをかける対策の決め手が、出産の無料化でないことは、誰の目にも明らかである。出産にお金がかかるから、産めないと考えている人は、おそらく皆無であろう。それでも、敢えてお金の話をするならば、産んだ後のことをしっかり考えねばならないのだ。
何故、少子化に歯止めがかからないのか?
一般的には、女性の高学歴化が進んで、男女間の給与所得の格差が小さくなったことにより、女性が職場を離れることが、「生活水準の低下」につながるようになったことだとされている。結果として、晩婚化・未婚化が進み、それに伴って初産年齢が上昇したこともあって、少子化が進んできたのである。
そのへんのところを端折って、橋本元総理の「女性の学歴が高くなると、少子化が進む」とか森元総理の「子供を1人もつくらない女性の面倒を、税金でみなさいというのはおかしい」などの発言がクローズアップされ、政府首脳の中では、この問題がアンタッチャブルの領域となってしまったきらいがある。
本稿では、しばらくの間、回を割いて、少子化現象をデータで追ってみることとする。
vol.27
「母さんは夜なべをして、手袋編んでくれた〜♪」という歌は、意外に最近作られていて、1956年(昭和31年)の作品だそうだ。ちょっとビックリ。
それにしても、昔の一般家庭は、子供がたくさんいる上に電化製品が完備されていないもんだから、家事労働がきつく、母親は朝から晩まで、せっせと働いていた。だから、編み物をする時間は、夜中に家族が寝静まったあと、行っていた。そんなイメージを唄ったものらしい。
我が国では、産めよ増やせよのキャッチフレーズに煽られて、富国強兵の国策のもと、子作りが奨励されていた。いわゆる「子は国の宝」である。戦前に産まれた人の多くは、兄弟が大勢いるのが当たり前だった。
【 出生コーホート別平均出世児数(厚生労働省)】
出生コーホート 調査年次 調査時年齢 平均出生児数
1890年以前 1950年 60歳以上 4.96
1891〜1895 1950年 55〜59 5.07
1896〜1900 1950年 50〜54 5.03
1901〜1905 1950年 45〜49 4.99
1911〜1915 1960年 45〜49 4.18
1921〜1925 1970年 45〜49 2.77
1928〜1932 1977年 45〜49 2.33
1933〜1937 1982年 45〜49 2.21
1938〜1942 1987年 45〜49 2.22
1943〜1947 1992年 45〜49 2.18
1948〜1952 1997年 45〜49 2.13
1953〜1957 2002年 45〜49 2.20
データを取るときに難しいのは、それぞれの世帯において、子供が何人いるかを見極めるタイミングが捕らえにくいことである。たとえば、35歳ぐらいの夫婦には、本人たちにそのつもりがないとしても、まだ産まれる可能性があるということだ。だから、この種のデータには、「出生コーホート」(ある時期に出生した人を一つの集団として捕らえる手法)ということばが出てくる。
これによれば、1915年ぐらいまでに産まれた人たち、つまり戦前に子供を産んだ人たちの中では、四人以上の子供を育てるのが常識だったが、戦後はこれがぐっと減り、「子供は二人」という家庭が半数を占めるようになるのである。
しかしながら、三人以上の子供を持つ世帯も30%近い(1953〜1957年生まれ)。だから、平均の人数で見ると、2.20人。二人を超えているのだ。少子化は、単純に一人っ子が増えたからというわけでもないらしい。
vol.28
ちょっと前までは、夫婦には年齢差があり、五歳ぐらい離れているのが普通であった。もともと、女性のほうが精神年齢が高く、そのことでバランスが取れていたともいえる。夫が亭主関白でいられるのも、人生の先輩であるからこそ。「一つ年上の妻は、金(かね・鉄のこと)のわらじを履いてでも探せ」なんて言ったのは、姉さん女房がそれだけ珍しかったからなのだ。
ひと昔前、家庭の中でお父さんがエラかったのは、男尊女卑よりも長幼の序の考え方に基づいていたと思えてならない。年齢の違わない友達夫婦が増えることは、父親の権威失墜にも繋がったのである。
さて、最近の夫婦の年齢差の逆転現象を現役プロ野球選手が女子アナ(当時)と結婚しているケースで見てみよう。
【 現役プロ野球選手と女子アナの夫婦 】
松坂大輔(25)― 柴田倫世(31)
高橋由伸(30)― 小野寺麻衣(30)
イチロー(32)― 福島弓子(40)
田口 壮(36)― 香川恵美子(40)
古田敦也(40)― 中井美穂(41)
石井一久(32)― 木佐彩子(34)
福盛和男(29)― 福元英恵(29)
石井啄朗(35)― 荒瀬詩織(30)
金子 誠(30)― 白木清か(32)
関川浩一(36)― 家森幸子(33)
松中信彦(32)― 林恵子(32)
*年齢は3/23現在
女子アナウンサーというのは、そんなにたくさんいないだろうから、このカップリングの多さに驚くが、11組のうち男性が年上なのは、わずかに二組。女性の晩婚化に伴って、相手となる男性の捉えかたが、大きく変わりつつあることが見てとれる。
しかし、夫婦の年齢差が縮まっている理由は、それだけではない。
vol.29
「全国仲人連合会」という組織がある。昭和45年に誕生したそうで、会員数4万人だという。
【規定料金(同会ウェブサイトより)】
入会金 63,000円
月会費 4,200円
紹介料 5,250円(一人あたり)
成婚料 210,000円
これ、意外と安いですね。申込みには、「一般コース」のほか「グリーン車
コース」というのもあって、女性が相手方に大卒または年収一千万円以上を望
んだ場合、割増加算されるらしい。全国規模の割に、会員総数が少ないような
気がするが、どうだろうか?それとも、「出会い系サイト」のほうが、手っ取
り早いのかねぇ。
こういう大掛かりな仕組みではなく、昔は近所に世話好きのおばちゃんがいて、
結婚するのはお見合いが常識であった。
【結婚年次別にみた恋愛結婚・見合い結婚の構成】
(人口問題研究所「第12回出生動向基本調査」より)
恋愛結婚 見合い結婚
1930〜39年 13.4% 69.0%
1940〜44年 14.6% 69.1%
1950〜54年 33.1% 53.9%
1960〜64年 41.1% 49.8%
1970〜74年 61.5% 33.1%
1980〜84年 72.6% 24.9%
1990〜94年 84.8% 12.7%
2000年以降 87.6% 7.3%
戦後ですね。男女同権の風潮から、恋愛の自由を謳歌する。その結果、親の意
向が強く働いて押し付けられるようなイメージのお見合いは、古いとされたの
である。
しかしながら、世の中には、押し付けられないとダメな人が大勢いるのだ。見
合い結婚の減少は、非婚社会を生んでしまった。
そして、見合い結婚の激減により、夫婦の年齢差がほとんどなくなったことも
見逃せない。これがよくないのは、間もなく分かる。つまり、夫婦が同時に老
化して、同時期に具合が悪くなる。そう、介護者の問題に繋がっているのであ
る。
vol.30
先月末のテレビ朝日「朝まで生テレビ」では、テーマに格差社会を取り上げていた。これを看過すれば、収入が低くて結婚できない若者が増加して、大変なことになると。挙げ句、年収300万で生活しましょうなんて言ってる森永卓郎氏が悪いって糾弾する人もいて、面白い番組になっていた。
昨夜は、TBSテレビ「ズバリ言うわよ」で細木数子女史が、ニートの若者たちを一喝。なるほど、いい年してあんなしょぼい感じでは、フツーに幸せな家庭を築き上げるなんて、夢のまた夢。ニートは、外見からして違っておりました。
昨年、独立行政法人「労働政策研究・研修機構」が、興味深いデータを公表した。
【 若年男性の結婚率と年収などの関係(2002年)】
25〜29歳 30〜34歳
有業者全体 32.4% 57.2%
(うち年収別)
100〜149万円 15.3% 29.6%
150〜199万円 17.4% 34.0%
200〜249万円 22.8% 40.8%
250〜299万円 26.3% 42.3%
300〜399万円 35.6% 52.9%
400〜499万円 43.9% 62.5%
500〜599万円 52.7% 71.0%
600〜699万円 57.6% 78.9%
700〜799万円 52.2% 76.6%
800〜899万円 50.8% 74.3%
900〜999万円 42.3% 65.1%
1000〜1499万円 72.5% 71.1%
1500万円以上 73.9% 90.0%
(雇用形態別)
正社員(役員含) 34.7% 59.6%
非正規雇用 14.8% 30.2%
自営 47.9% 64.5%
無業者全体 7.5% 15.8%
要するに、年収が低いと結婚しない(できない?)。まぁ、そのへんは選ぶ側の女性もしっかり見ているので、当然でしょうね。最近は、女性の収入が高くなっているので、余計バカバカしいと思うのである。多分。
もう一つ、見逃せないのが、700万を超えると、いったん下がりだしていること。この年代で年収一千万円超は、限られた特殊な存在だろうが、700〜1000万円のサラリーマンというのは、一流企業といっていいであろう。
このクラスでは、逆に、結婚してしまうのがもったいないように感じるのだと思う。収入だけを見れば、一番、結婚に適しているグループなんだけど、しない。いわゆる独身貴族の謳歌ですね。
家族に縛られている同年配の人々を尻目に、自由に遊びまくる。こんな生活のクセをつけてしまうと、ますます結婚するのが、バカらしくなるんだなあ。
vol.31
山本リンダという人は、若いころ、「デートに誘われて困っちゃう」なんて言っていた。そのうちに、スタイルを変えて、「ボヤボヤしてたら私は誰かのいい娘になっちゃうよ」と言い出す。でも、なかなか結婚しません。ヘソは出てたけど、ナゾの私生活。
そして、この人は結婚しないのかなと思っていたら、五年前に突如入籍した。このとき、50歳、遅咲きの初婚である。
世の中には、ヤンママみたいな人がいるかと思えば、50歳で初めて結婚する人もいる。人生いろいろ。
50歳の時点で、一度も籍を入れたことがない人がどのくらいいるかを調べたものがあって、これを生涯未婚率という。
【 生涯未婚率の年次推移(人口問題研究所データより)】
男性 女性
1920年 2.17% 1.8%
1950年 1.46% 1.35%
1960年 1.26% 1.87%
1970年 1.7% 3.33%
1980年 2.6% 4.45%
1990年 5.57% 4.33%
2000年 12.57% 5.82%
ひと昔前は、人は結婚するのが常識だった。100人に一人だけですからね、結婚しない人が。それが、ここ20年で状況一変。今や、10人に一人が生涯独身を貫く。これが、東京の男性だと、15%を超えたというデータもある。
全く悲愴感が見られない志村けんとか、阿川佐和子とかが楽しそうにしているのも、こうした人たちに勇気を与えているところがあります。坂田利夫は与えていないけどね。
vol.32
ちょっと前のTVタックルで、ビートたけし(59)の孫と舛添要一(57)の子供が同級生になるという話をしていた。ふ〜ん、そんなものかと想像してみたが、幼稚園の運動会に行って、父兄参加競技に借り出される姿が浮かび、止めました。運動会で順位をつけなくなった風潮は、案外こういうことに起因しているかも。
結婚の多様化が進み、ライフスタイルをアベレージで計ることができなくなっている。
昨年10月、厚生労働省が「出生に関する統計の概況」を公表した。
今回は、昭和28年生まれ以降の女子の出生年別に、子供を産んでいない割合を見てみよう。
【出生コーホート別にみた子を産んでいない女子の割合】
<30歳> <40歳>
昭和28年生まれ 18.0% 10.2%
29 18.3 10.0
30 21.1 12.5
31 21.2 12.1
32 22.1 12.3
33 25.6 15.4
34 26.1 15.2
35 28.4 16.6
36 30.4 17.7
37 32.4 18.9
38 34.9 20.5
39 37.2 22.3
40 39.6
41 35.2
42 47.0
43 43.0
44 45.3
45 47.2
46 48.9
47 49.8
48 51.0
49 51.5
つまり、40歳の時点で子供を産んだことがない女性が、昭和28年生まれで10.2%だったものが、世代を追うごとに増加傾向にあり、昭和39年生まれでは22.3%となっているということ。女性の生涯未婚率が、5.82%であることを考え合わせると、結婚していても子供を産まないケースがかなり多くなっていると思われる。
相続税の体系に影響がありそうな話ではある。お墓の問題もね。
vol.33
産婦人科医が不足しているんだそうな。
さもありなん、少子化だから。
私の住んでいる横浜市中区でも、区内にお産のできる施設が次々に消えており、ご近所では出産を諦めたという話まで出てきている。悪循環です。
産婦人科医とは、本来、新しい生命の誕生に立ち会うというやりがいのある仕
事であるハズだが、どうやらそんな単純な話ではないらしい。
【 新生児死亡数の年次推移(人口動態統計より)】
明治33年 112,259人
43年 126,910人
大正12年 135,504人
昭和 8年 102,887人
18年 76,588人
29年 42,726人
39年 21,344人
49年 14,472人
59年 5,527人
平成 6年 2,889人
16年 1,622人
新生児死亡とは、生後4週間以内に死亡した新生児のことをいう。
ひと昔前は、たとえオギャアと産まれても、無事にスクスクと育つのは大変だった。みなさんの親世代で、戸籍上は次男だけど、実体的には長男であるお父さんなんてことは珍しくないのである。明治・大正のころは、オギャアと産まれた赤ちゃんのうち、十人に一人が一ヶ月以内に亡くなっていたのだから。
それが、どんどん改善されて、間もなく新生児死亡数が3ケタになろうとしている。このことは、平均寿命世界一にも大きく貢献しているのだ。
ところが、こうなってくると、子供というものが無事に産まれて育つのが当たり前で、うまくいかなかったときに、訴訟へと発展することが多くなってしまったのである。
産婦人科医は全体の5%でしかないにも関わらず、訴訟は全体の12%。
リスクが大きい上に、時間を選ばない重労働、そして少子化。これでは、やりたがる人が減っていくのも致し方なし…?
タマゴが先か?ニワトリが先か?
医師が不足しているために、子供を産まなくなるなんてことも、あり得るのである。
vol.34
トシをとると一文字のところが弱くなる。
「け」「め」「い」…「ぢ」というのはちょっと違うか?
で、今回は、「は」の話である。
先日、ちょっとした拍子で詰め物が取れてしまったので、近所の歯医者へ出かけた。昨年もちょっとだけお世話になったこの先生。やたらめったら丁寧なことばづかいで、分かるまで噛んで含めるように徹底的に説明する。そして、自宅へのDM。年賀状に暑中見舞い。
子供のころの印象では、歯医者さんは、工事現場みたいな器械を駆使する悪の権化で、マスクしてるから表情も分からず、イヤなものの代名詞みたいな存在であった。敵もそんなことを気にする様子もなく、イヤだったら来なくたっていいんだぜという空気を醸し出していたように思う。泣こうが喚こうがお構いなし。それが今…。
少子化の影響をモロに受けているらしい。虫歯のピークは、中学二年生くらいだから。入れ歯じゃ、儲からないってこと。加えて、定年がない医者の世界の仕組み。現在、日本の歯科医師の数は10万人を超え、全国の歯科医院の数も6万7千軒以上とコンビニより多いのが現状なのだ。コンビニほど頻繁に利用するわけでもない歯科医院が、都市部を中心に乱立しているのが実状であり、経営が難しくなっているところもたくさんある。
こういう場合、新たなニーズを開拓するのが定番だ。
極めて初期の歯槽膿漏だ、歯周病だと言って、歯石を取りたがる。マクドナルドのポテトみたいな感じで女性従業員に指示を与えて。マスクしてると歯科衛生士だか誰だか分からないからなぁ。そのうち、これもシロアリ駆除みたいな問題になる気がいたします。人の顔をさかさまから見る日常というのも、どうかと思うし。
歯医者さん、本当にピンチみたい。名前も悪いねぇ、復活しそうもない。
vol.35
前職で社会貢献の担当をしていたときのこと。
バレンタインの義理チョコがくだらないから、買ったつもりでそのお金を募金に向けてはどうかの提案が、担当役員からあった。何かのニュースで他社がやっているということに、触発されたらしい。
私も義理チョコのシステムが、新たなイジメを生み出すことにも繋がり(○○さんだけにはあげないみたいな)、苦々しく思っていたものの、だからと言って、あげることを前提に話を進めるのは矛盾があるような気がするし、何と言っても他社の二番煎じというのがどうも…。
そこで、その夜、居酒屋で部下の社員とバレンタイン談義。
「そういや、チョコを食べ過ぎると、鼻血が出たりするよな?」
「えぇ、そういうこともありますねぇ」
「だったら、先に抜いておけばいいんだ」
こうして生まれたのが『バレンタイン献血』である。冬場の血液が不足する時期に行うことに意義があるというのが後付けの理由。チョコレートは特定の人に愛を与えるものだけど、献血は不特定の人に対して愛を与えるものです、なんて訴えればいいんじゃないかとも。
こういう話は、アッという間にまとまり、赤十字へ手配したりして、面白かったなぁ。献血の協力者には、フェア・トレードで仕入れたチョコレートを配っていた。役員指示は義理チョコ止めろだったんだけど。
出世できませんね、しませんでした。今では、取引先も含めて、日本中で行っているそうだ。鼻血の話は内緒でね。
先日、ニュースで1995年に629万人だった献血者が、昨年は532万人に減少したと報じていた。中でも16〜29歳の若年層が285万人から177万人に落ち込んでいるらしい。ここにも少子化の影響が表れている。エビちゃんだとかは、血が薄そうだし、不必要に痩せた女性の多さも気になるところ。不必要に太った男性のやつは、汚れてて使えないし、だからこそ分母が重要でもあったわけだ。
献血自体を知らない若者も26.2パーセントだと。
そこまで言われると調査方法に怪しさが漂うが、結果が出ていないのは事実であり、対策が必要なのである。個人的には、運転免許証更新のときに、義務化すればよいと思っているんだけど、どうだろうか?
vol.36
これも広報部時代の話。
私のボスとマクドナルドの故・藤田田(ふじた・でん)社長の対談企画があり、広報課担当の私は進行役として、その席に臨んだ。
藤田氏の著作は、たくさん読ませていただいており、ユダヤ人的な発想のユニークさに感銘を受けていたが、実際にお会いしてもイメージと全く変わることなく明るい方で、楽しく会話が弾んでいた。
そんな中で、藤田氏が「日米の摩擦を解消する最善の方法は、ドルでも円でもない共通の貨幣を作ることだ」と持論を展開されたので、思わず「それだったら、通貨の名前はDEN(デン)がいいですね」と口を挟んだのが私。しっかり、笑いを取って得意になり、対談原稿では我が社のボスがそれを言ったかのようにまとめて校正をお願いしたところ、先方の広報担当者が私のところへ飛んできた。
「このDENの話は、実際に御社の社長がされたものでしょうか?」
「いえ、実は対談中に私が調子に乗って、チャチャを入れたものですが、流れにハマッたものですから、当社のボスが話したことにしました」
「なるほど、それで分かりました。あの対談が終わった後、藤田(社長)が各地の講演で、DENの話をし出したものですから…」
「そうですかぁ、フフフ、よくできた話ですよねぇ」
「えぇ、まぁ…それで、お願いなんですが、このセリフは藤田が話したことにしていただけないでしょうか?」
カリスマ的なボスを持ったとき、その伝説を守るため、本人の分からないようなところで周りは動き回り、大変なのである。もちろん、OKした。今回の暴露は時効ということで、お許しください。10年以上前の話でありました。
日本マクドナルド社が、今年4月から定年制を廃止したという。
これは、4月からスタートした改正高年齢者雇用安定法に呼応したものではあるが、定年延長ならともかく、廃止したのだから、そのインパクトは大きい。
同社は、平均年齢34歳と若く、対象となる社員がほとんどいないからだと揶揄する向きがあるものの、宣伝効果は相当なものである。
社長が自信満々で会見に臨んでいましたね。代替わりしても、オリジナリティーを貫く姿勢は揺るぐことなく、広報上手であることに感心する。
「おんなとクチを狙え」と言っていたマクドナルドは、少子高齢社会を見据え、高齢者が入りやすい店舗作りを企んでいるように思う。年輩の人は、店員がモタモタしているようなカウンターを見て、逆に安心感を覚えるのだ。だから、中高生がやって来る時間帯までのシフトは、大胆に替えたりするのではなかろうか。案外、オバアチャンにファンが付いたりしてね。
vol.37
前職保険会社の総務部にKという「じいさん」がいた。
元警察庁勤務で、腕利きの刑事だったという。剣道七段。やや肥満気味だけど、眼光鋭く、笑ったところを目撃した者は誰もいない。会社の中では、忙しくしているような素振りを微塵にも見せない異色の存在だった。
そんな彼が、手腕を発揮するときが、年に7、8回ある。それは、おっかないスジの人が、会社の周辺をうろちょろしたときだ。寝ていたライオンが起き上がった感じ。実力行使という意味でなく、情報収集能力に長けていたのだ。
つまり、その人間が過去にいかにヒドイことをしてきたかを調べる能力。
20年前の話です。今は、必ずしも当てはまりません。
情報はともかく、実力のほうも、ただ者ではなかった。
一度、保険金支払いを巡るトラブルで、代理人として出てきた男があまりにもおっかないので、K氏に交渉の席へ同行してもらったときのこと。忘れもしない三重県の四日市。
それまで何回か折衝を続けるも不調を重ね、消耗しきっていた私であったが、K氏が総務部の名刺を差し出すと、三秒で終わりました。
「分かった、お前たちの言う通りにする」と。
帰りの新幹線で、不思議に思い、「どうして、あっさり納得したのでしょう」と訊ねた私にK氏はこう言い放ったのである。
「目が違うんだ。同業者は目で分かる」
道路交通法改正に伴い、今月一日から民間業者が違法駐車の取締りを行うことになった。
使用者の責任であることを明確にし、いわゆる『逃げ得』を許さないことと、民間参入によって、警察の負担を軽くするのが狙いというが、本当の理由は天下り先の確保であると、まことしやかに囁かれている。
これから数年の間、団塊世代の警察職員が一斉に定年退職する時期を迎えるというのだ。具体的には、平成18年度の退職者数が1万人を超えるのが確実で、その後数年間にわたり、同じレベルでの退職者が続くということ。これは、10年前に比べると三倍増にもなるらしい。
だから、違法駐車の取締りを民間に委託することによって“仕事”を増やし、駐車監視員という“資格”をつくったのだという。なるほど。
だけど、警察を退職した人が、駐車禁止の取り締まりなんてやりたがりますかねぇ。交通課の仕事なんて、警察業務のごく一部であり、公平性その他の理由で軽んじられているることが多いような気がする。殺人事件を追っていた辣腕刑事には馴染まないということ。
こういうときにこそ、総理がリーダーシップを発揮して、みんなが喜ぶ天下り先を堂々と提供してもらいたい。
それは、小学校です。
水と安全がタダだという神話が崩されつつある今、まだまだ充分に活躍可能な団塊世代を有効活用する道があるんだなぁ。
vol.38
テレビのバラエティー番組で、6月4日は何の日?というのをやっていた。
和泉元弥の誕生日だとか、いろいろ言っていたけど、結局「虫の日」だと。倒れました。私の世代では、「虫歯予防デー」というのが常識である。小学生レベルの語呂合わせだが、当時はムシキングなんてなかったし、虫そのものにステータスがなかった。だからこそ、虫歯予防。ポスターを書かされました。
厚生労働省が、2日「平成17年歯科疾患実態調査」の結果を公表した。これによると、最近20年の間にみんな、めちゃくちゃ歯が良くなっているのである。
【 20歯以上有する者の割合 】
調査年 65〜69歳 70〜74歳 75〜79歳 80〜84歳
-----------------------------------------------------------------
昭和62年 26.8% 15.2% 9.4% 7.0%
平成 5年 31.4% 25.5% 10.0% 11.7%
11年 48.8% 31.9% 17.5% 13.0%
17年 57.1% 42.3% 27.1% 21.1%
40歳以上で歯が20本以上ある人の約8割が「何でも噛んで食べることができる」と回答する一方、19本以下では5割弱になるというのは、やはり厚労省発表の「平成16年国民健康・栄養調査」から。お年寄りのイメージが様変わりしていることを裏付けるデータでもある。外見だけではないということ。ちなみにこの調査では、喫煙と歯の本数の関係にも言及し、40歳以上の男性で喫煙者に比べ非喫煙者が20本以上の歯を有している人の割合が高いことも訴えている。
タバコ、止めましょうね。
歯が良くなっている理由として、「歯科疾患調査」の次のデータを挙げておこう。
歯磨き回数の状況だ。
【 歯磨きの状況 】
歯は磨かない 1.4%
時々は磨く 2.5%
一日一回 25.8%
一日二回 49.4%
一日三回以上 21.0%
こういうのを見ると、ポスターも書かせるものだと思う。
そして、ここ数年の目覚しい歯科医療の進歩も見逃せない。
少子化による患者そのものの減少、歯科医は増大の一途、再発率の低下、予防知識の徹底、治療器機の高騰…ホント、しつこいようだけど、歯科医周辺は八方ふさがりになっている。
そういえば、日歯連の献金問題は、どうなったのかなぁ。
vol.39
オリンピックやワールドカップを見ていて思うのは、世界にはいろんな国があるなぁということ。今回のサッカーで言えば、トーゴという名前が分かりませんでした。地図上の位置がハッキリしないのもたくさんあるし、首都に至っては…。子供に社会科、教えられませんね。小学校時代から、国名が変わったのも沢山あるし。言えることは、日本が平和だという話。ありがたいですね、平和。
さて、今回は世界の人口ランキングを見てみましょう。
【 世界の人口ランキング(CIAワールドファクトブックより)】
*右側のカッコ内は今回W杯参加チームのFIFAランキング
1位 中華人民共和国 13億 615万人
2位 インド 10億6,507万人
3位 アメリカ合衆国 2億9,734万人(5位)
4位 インドネシア 2億3,845万人
5位 ブラジル 1億8,410万人(1位)
6位 パキスタン 1億5,920万人
7位 ロシア 1億4,378万人
8位 バングラディシュ 1億4,134万人
9位 ナイジェリア 1億3,725万人
10位 日本 1億2,733万人(18位)
11位 メキシコ 1億 496万人(4位)
12位 フィリピン 8,624万人
13位 ベトナム 8,269万人
14位 ドイツ 8,242万人(19位)
15位 エジプト 7,612万人
16位 イラン 6,902万人(23位)
17位 トルコ 6,889万人
18位 エチオピア 6,785万人
19位 タイ 6,487万人
20位 フランス 6,294万人(8位)
21位 イギリス 6,071万人(10位)
:
24位 大韓民国 4,860万人(29位)
:
48位 北朝鮮 2,270万人
:
52位 オーストラリア 1,991万人(42位)
:
115位 クロアチア 450万人(23位)
:
152位 トリニダード・トバコ 110万人(47位)
21世紀がアジアの時代と言われる所以であります。サッカーの順位も、最後は人口の違いとなるような気がしています。
ヨーロッパの各国は、意外なほどに人口が少ないため、EUとしてまとまる必要に迫られたということですね。そういう意味では、日本以上の少子化に悩む韓国(2002年合計特殊出生率1.17)が南北統一を目指すとしても、不思議はないのであります。
vol.40
今週は、世界各国の合計特殊出生率(一人の女性が一生に生む子どもの数を示
したもの)を見てみましょう。一般にこの数字が2.08を割ると、人口減少に向
かうと言われています。
【 世界主要国の合計特殊出生率 】
国名 調査年 合計特殊出生率
韓国 2005 1.08
ロシア 1999 1.17
日本 2005 1.25
スペイン 2002 1.26
イタリア 2004 1.33
ドイツ 2002 1.34
イギリス 2002 1.63
スウェーデン 2004 1.75
中国 2000 1.75
フランス 2002 1.88
アメリカ合衆国 2004 2.05
アルゼンチン 2000 2.58
フィリピン 2000 2.97
インド 1998 3.2
エジプト 1999 3.75
つい、この間まで、世界最速のスピードで高齢化したのが日本であると公言し
ておりましたが、ここ数年のうちに、いきなりまくってきたのが韓国です。こ
んなところでもライバル関係ですね。両国の合計特殊出生率の推移を比べました。
1970年 1983年 2000年 2002年 2005年
日本 2.13 → 1.80 → 1.36 → 1.32 → 1.25
韓国 4.53 → 2.08 → 1.47 → 1.17 → 1.08
人口全体における65歳以上の割合が、7%を超えると「高齢化社会」、14%を
超えると「高齢社会」だとされています。そして、その7%から14%へと進む
スピードが、日本ではわずか24年でしたが、韓国はその上を行って、19年で達
成するだろうと言われております(現時点では2000年になりたての「高齢化社
会」)。
儒教の国として知られ、長幼の序を重んじるお国柄ですが、これほどまでに極
端な少子化が進むと、たった一人の孫をめぐっていわゆる“シックスポケット”状態を招き、価値観が一変するかもしれません。そして、その背景に、中国の“一人っ子政策”にも似たもう一つの現象を伴っているのです。
vol.41
男女の出生時における性比は、何も手を加えなければ、女性100に対して男性
が104〜106になると言われています。これは、生物学的な問題なんだそうです。
そういう風にできている。
その昔、赤ちゃんがオギャーと産まれるのが難しかったころ、男の子が弱かっ
たらしい。たとえ産まれても、抵抗力が弱くて一年と持たなかった。だから、
少しだけ多く産まれていれば、ちょうどバランスが取れるというのが自然の摂
理だという。さすがは、神様ですね。配慮があります。
ところが、医学の進歩により、出産医療が大幅に改善されました。その結果、
もともとの差が、そのまま現出して若年層で男余りとなっているいるのが現在
の姿なのです。
世界各国の出生性比を見てみましょう。
【 世界各国の出生性比(総務省「世界の統計」より集計)】
国名 調査年 性比(女性を100として)
日本 2000 1.051
韓国 1998 1.102
中国 2000 1.199
インド 2001 1.071
アメリカ 2002 1.048
ブラジル 2000 1.037
イギリス 1999 1.051
イタリア 2001 1.061
スウェーデン 2002 1.043
ドイツ 2002 1.055
フランス 2002 1.048
ロシア 2001 1.060
ガーナ 2000 0.996
南アフリカ 1996 0.995
オーストラリア 2002 1.050
ガーナや南アフリカの数値が1を割っているのは、発展途上で医療水準が充分
でないため。男の赤ちゃんが弱いってことですね。だけど、欧米先進国では、
1.04から1.06で、ほぼ安定しています。問題は、隣組なんだなあ。
中国の一人っ子政策は有名ですが、その結果、自然に逆らって、男性二割増と
いう史上かつてない現象が起こっています。
これには、中絶などの人為的な力が働いていると言わざるを得ません。非常に
まずい問題です。結婚できない若者が溢れた社会ですよ。しないんじゃなくて、
できない。農村部など、貧しいままに高齢社会に突入していくことも背景にあ
り、大きな変革の必要に迫られる予感がひしひしとします。
韓国もしかり。
国策ではありませんが、1980年代から突如として少子化に転向し、1990年には
性比116.5まで高まりました。韓流ドラマは、女性の奪い合いから、家族問題
へドロドロと発展し、だったら「渡鬼」のほうがいいと、ブームが去るという
のが私のヨミであります。
vol.42
こどものころ、フランスのイメージは、「おそ松くん」のイヤミ(シェーの
人)でした。イヤミなくらいオシャレで、国名で唯一「お」を付けて丁寧に呼
ぶ。自分のことは「ミー」(あれ?)、語尾は「ざんす」でした。
これが高校生になると、アラン・ドロンに進化します。だから、フランスの人
はみんなハンサムでモテると。慌てて、ダーバンで買い物したものです。
それが、どうも違うんだなぁ、フランスのサッカー。美醜のことではありませ
ん。鉄壁の守備陣の肌の色が、イメージするフランス人と違っていたのです。
1999年の同国国勢調査によれば、フランス本国に居住する移民は431万人で、
人口の7.4%だそうです。文化の発達していたフランスでは、19世紀後半から
出生率が低下し始め、労働力の低下を補うために大量の移民を受け容れていた
歴史があるとのこと。なるほどですねぇ。
もっとも、景気が悪くなると、真っ先に目を向けられるのがまた移民であり、
差別にも繋がって、このことが大きな社会問題となっています。
フランスでもう一つ注目されるのは、先進国の中で珍しく出生率が上がってい
ること。その背景には、法律婚に拘らない事実婚が浸透しているのを見逃せま
せん。
【 フランスの出生数と非嫡出子の推移 】
出生数 非嫡出子数 比率
1994年 741,499人 275,709人 37.2%
1996年 764,682人 304,912人 39.9%
1998年 768,581人 320,302人 41.7%
2000年 808,249人 352,196人 43.6%
2002年 793,606人 359,069人 45.2%
2004年 800,240人 379,269人 47.4%
そういえば、カーレーサーのアレジと結婚した後藤久美子も籍は入れていない
とのこと。いろんな意味で、個性的な国であります。W杯、優勝しますかねぇ?
vol.43
小冊子『人口を読む』の読者から、質問がありました。
「“平均寿命の国際比較”(8ページ)の中で、ロシアの女性が72.30歳であるのに対し、男性が59.00歳というのは、どうしてでしょうか?」
どこの国も女性のほうが長生きしているが、それでもその差は6歳前後。ロシ
アのように、13歳も違いが出ているのは、不思議な気がします。それに、先進
国で平均寿命が60歳を切っているのも、どういうことでしょう。
調べました、ロシアの現実。なかなかに厳しいものです。
<平均寿命(2001年)> 男性 59.00歳
女性 72.30歳
<合計特殊出生率(2004年)> 1.25人
<人口十万対自殺率(2002年)> 38.7人(世界2位)
<人口千人対離婚率(2001年)> 5.30(世界1位)
背景には、ソビエト連邦解体による社会混乱や貧富の格差拡大で、アルコール
依存症(主に男性)が激増したことがあげられています。
ウォッカの一気飲みは、健康を害するばかりでなく、犯罪の多さにも繋がって
いるでしょう。酒乱ってことです。銃器所持については、日本と事情が違いま
すからね。離婚率ダントツナンバーワンも、アルコールのせいらしい。つまり、
ウォッカというある種文化そのものに問題があるのだから、解決策を見出すこ
とが難しいのです。
世界でも珍しいスピードで進む人口減少には歯止めがかからず、このまま放っ
ておけば、北方領土問題も時間が解決してくれるという笑えないジョークがあ
るようです。
vol.44
静かな闘いぶりよりも、頭突きの印象が強く、後味の悪さを残したW杯でした
が、四年後は南アフリカ共和国で行われるんだそうです。
これは、六大陸での持ち回りとする方針に基づくものだそうで、公平なように
見えるものの、実際問題、アパルトヘイトの後遺症ともいうべき、貧富の差が
激しく、興業的にみて、数万人収容のスタジアムが自国民だけで埋まるとは、
とても思えません。
勢い各国のサポーターさんいらっしゃいとなるのでしょうが、これがどうして、
フーリガンどころの話ではない。治安の悪さが度を越しているのです。
【 人口十万人あたりの殺人件数(インターネット調べ)】
1位 ホンジェラス(1998年) 154.02件
2位 ガボン(1996年) 152.18件
3位 南アフリカ共和国(2001年)114.84件
4位 コロンビア(2000年) 69.98件
5位 レソト(1999年) 50.41件
:
アメリカ合衆国(2001年) 5.61件
ドイツ(2003年) 3.08件
韓国(2001年) 2.18件
日本(2002年) 1.10件
最近、気が滅入るような事件が相次いで、騒いでいる我が国のワイドショーで
すが、ある意味、それは平和の証し。次元が違うのが分かります。
南アフリカでは、信号待ちの際の強盗が頻繁にあるため、赤信号でも止まらな
いなどの常識があったりするそうで、それもまた交通事故を引き起こす悪循環。
治安が悪いというのは、そういうことなんですね。
わずか四年で、この状況が大きく変わるとは、とても思えないのであります。
vol.45
2日、俳優の柴田恭兵氏(54歳)が肺がんだと報じられた。
『あぶない刑事』のユージ役で、LARKとジッポーがトレードマーク。タバ
コの販売促進には、相方とつるんで、かなり協力的だったように思う。
そういえば、歌手の忌野清志郎氏(55歳)の喉頭がんが判明したのも、つい
最近のこと。こちらもヘビースモーカーだったそうな。ロックですからね。
がんの原因の三分の一が、タバコだと言われている。
非喫煙者の死亡率を1.0だとすると、毎日喫煙している人の場合、喉頭がん
で32.5、肺がんで4.45、胃がんでも1.45とされているのだ(「が
んの統計」より)。
ちょっと前まで、日本人のがん死亡一位は、「胃がん」だった。
【 悪性新生物部位別死亡者数年次推移 】
<男性> <女性>
胃がん 肺がん 胃がん 肺がん
1990年 29,909 26,872 17,562 9,614
1991年 30,296 27,968 17,600 10,231
1992年 30,507 29,223 17,534 10,940
1993年 29,998 30,398 17,313 11,129
1994年 30,564 31,724 17,227 11,752
1995年 32,015 33,389 18,061 12,356
1996年 32,384 35,023 17,781 13,018
1997年 32,218 35,700 17,521 13,294
1998年 32,858 36,880 17,822 13,991
1999年 32,788 37,934 17,888 14,243
2000年 32,798 39,053 17,852 14,671
2001年 32,267 39,904 17,691 15,130
2002年 31,788 41,146 17,425 15,259
2003年 32,142 41,634 17,393 15,086
2004年 32,851 43,921 17,711 16,001
1993年に男性で逆転、女性もじわじわと迫られている。
この理由は、胃がんの早期発見努力と治癒率の向上も見逃せないが、それ以前
の問題として、人口の高齢化があげられる。
つまり、胃がんに比べ、肺がんのほうが患者の年齢層が高いのだ。タバコを吸
って、がんになるためには時間がかかるのである。
vol.46
終戦に因んだ数字を並べてみよう。
1941年(昭和16年)太平洋戦争開戦時における日本の人口は、約7,200万人だ
った。平均寿命が50歳に届かない状態なのは、医療水準の低さと衛生状態の悪
さ、それに乳児死亡の多さが挙げられる。
【厚生労働省・人口動態統計より】
総人口 出生数 死亡数 乳児死亡 新生児死亡
昭和16年 71,680,200 2,277,283 1,149,559 191,420 77,829
17年 72,384,500 2,233,660 1,166,630 190,897 76,177
18年 72,883,100 2,253,535 1,213,811 195,219 76,588
(平成16年 126,176,000 1,110,721 1,028,602 3,122 1,622
*昭和19〜21年のデータはありません。
意外にも、出生数は高水準をキープしていた。
戦時下においては、種族保存本能が働くとの指摘もある。
その一方で、乳児(一歳未満)死亡・新生児(生後四週未満)死亡の多いこと。
現代との比較で、際立っている。
この戦争の死亡者数だが、兵員で約230万人(大半が若年男性)、民間で約80
万人(多くは女性)とされている。
東京空襲で約10万人、広島で約14万人、長崎で約7万人、沖縄で約12万人の民
間人が犠牲となったのだ。
ちなみにアメリカは、兵員で約40万人、民間レベルでは、ほとんどなく(真珠
湾攻撃時に若干ありか?)、戦場がどこかによって、犠牲者数に差が出るのは、
最近の中東戦争でも明らかである。
第二次世界大戦には、世界の49カ国が戦闘に参加、民間人を含めて世界中で約
6千万人(当時の世界人口は約23億人)もの多くの人が生命を落としたと言わ
れています。
vol.47
熱闘甲子園は、二人の天才投手の活躍で、大いに盛り上がりました。
ダイエーの王監督にとってのこの一年は刺激が強すぎます。塞翁が馬って感じ。
優勝した早実のメンバーで気になったのが、オザワという双子の兄弟。「タッ
チ」ですね。親御さんは、さぞや喜ばれたことでしょう。
双子というのは、神秘的な存在で、友だちが家に一緒に住んでるみたいな羨ま
しさがあり、憧れたものでした。この双子の出現率は、どのくらいなのか、調
べてみました。
【 出生の種類別にみた出生数(人口動態統計特殊報告より)】
総数 単産 双子 三つ子以上
昭和50年 1,901,440 1,880,507 20,615 318
60年 1,431,577 1,413,629 17,612 336
平成7年 1,187,064 1,166,596 19,475 993
12年 1,190,547 1,166,926 22,687 934
昭和50年の複産比率は、1.1%程度だったものが、平成12年には2.0%にまで上
がっています。別に少子化対策ということでもないんでしょうが、近年、双子
ちゃんの出現率が上がっています。背景には、高齢出産が影響しているとも言
われており、三つ子以上の数値もグ〜ンと伸びているのが分かります。
マラソンの宗兄弟・スキーの萩原兄弟・サッカーの佐藤兄弟などが有名ですが、
そろそろプロ野球にも双子の選手が誕生するでありましょう。そういえば、王
監督は双子で産まれた(姉の広子さんは1歳7ヶ月で病死されました)って知
ってました?
vol.48
甲子園のアイドルを特集した番組で、懐かしい顔が出ていました。準決勝の
ホームへのスライディングで手首を負傷し、交替を余儀なくされ、涙のサヨナ
ラ負け。そう、定岡正二です。最近、解説で見ないなと思ったら、TBSラジ
オでやってるとのこと。まっ、月刊少年ジャンプというところでしょう。
そこで、ハッと気がつきました。
引退してからが長いスポーツ選手ですが、解説もいつまでもできるような…先
が詰まっている。
【 テレビ局と契約している野球解説者(キー局のみ)】
<NHK>
川上哲治 86歳
鈴木啓示 58歳
村田兆治 57歳
山本和行 57歳
大島康徳 56歳
梨田昌孝 53歳
大野豊 51歳
広澤克実 44歳
与田剛 41歳
武田一浩 41歳
今中慎二 35歳
<TBS>
杉下茂 81歳
張本勲 66歳
田淵幸一 60歳
有藤通世 60歳
衣笠祥雄 59歳
川口和久 47歳
槙原寛己 43歳
佐々木主浩 39歳
<日本テレビ>
中畑清 52歳
江川卓 51歳
掛布雅之 51歳
水野雄仁 41歳
<フジテレビ>
大矢明彦 59歳
江本孟紀 59歳
金村義明 43歳
大久保博元 39歳
<テレビ朝日>
東尾修 56歳
栗山英樹 45歳
大塚光二 39歳
<テレビ東京>
水上善雄 49歳
川崎憲次郎 35歳
意外なことに、特別な人を除いては、60歳定年みたいになってました。多分、
ギャラとの絡みですね。それにしても、TBSの人数の多さは突出しています。
定岡氏がラジオ専従となるのも、むべなるかな。
そして、視聴率の低迷ということで、各局とも巨人戦の中継打切りを言い出し
ました。おそらくは、戦々恐々でしょう。江川・掛布、現場復帰も近いことか
もしれません。
解説の仕事がラジオばかりになるようだと、本を読んでいない野球選手の引退
後は、結構キツいような気がしますが、どうでしょうか。
vol.49
1980年代の新宿西口地下通路は、浮浪者の溜まり場でした。
まず、雨露が凌げるのがいい。あちこちに水場がある。カラスに負けないよう
早起きすれば、食べ物も豊富。何より、仲間が大勢いる。券売機のそばには、
地見屋と呼ばれる小銭拾いのような仕事(?)が生まれるし、ゴミ箱から集め
てきた雑誌の再販も、あちこちでやってました。
それが、都庁移転が決まったころ、行政による強硬な締め出しが始まります。
極め付けは、ダンボールハウスが軒を並べていた場所に設置された、オブジェ。
すき焼きに入れたネギみたいな筒状のものが、通路に延々と連なっているので
す。上部が平らでなく、ナナメに切り込んだデザインで、ここでは寝かさない
ぞという意思を感じさせるものですが、まわりくどくて気分が悪くなります。
オブジェだけど、決して美しくない。こんなことで、お金を貰っている業者も
いるんですねぇ。青島都政の意地悪ばあさん的遺物として、東京見物コースに
加えるのも一興かも。
小泉政権の五年間は、上に厚い格差社会を生みだしたと言われています。
そこで、ホームレスの数字を見てみましょう。
【 都道府県別ホームレス人数ランキング(平成15年1〜2月)】
1位 大阪 7,757人
2位 東京 6,361人
3位 愛知 2,121人
4位 神奈川 1,928人
5位 福岡 1,187人
6位 兵庫 947人
7位 埼玉 829人
8位 千葉 668人
9位 京都 660人
10位 静岡 465人
公園や河川で寝泊りしているホームレスは、実態を把握しづらい面もあります
が、全国で25,296人が確認されています。平成11年3月の調査では、16,247人
と言われていたものですから、厳しい現実が窺えます。
ホームレスが生活保護を受けていないのは、住所不定の人が申請手続きできな
いという行政の壁があるものの、むしろ、束縛されたくないという生き方に関
わる問題もあるようで、まさに人生いろいろであります。
vol.50
9月6日、秋篠宮紀子妃殿下が男児をご出産され、日本じゅうが祝賀ムードに
包まれました。おめでとうございます。
この明るいニュースが、何よりの少子化対策だとの声も上がっています。
そこで、出産のデータについて、改めて検証を加えてみましょう。
まず、性別の問題。オギャーと産まれてくる赤ちゃんを確率論的に捉えると、
以前にも書いたとおり、5〜6%程度、男子である可能性が高いことになって
います(小冊子「人口を読む」26・27ページ参照)。
次に、高齢出産について。一般に35歳以上で出産に臨んだ母親を高齢出産とい
います。
【 母の年齢階級別出生数の年次推移(総務省・統計局より)】
20歳未満 20〜24 25〜29 30〜34 35歳以上
大正14年 119,747 542,089 530,632 392,550 412,509
昭和15年 45,366 431,818 655,488 493,398 432,924
25年 56,365 624,797 794,241 496,240 365,258
35年 19,739 447,097 745,253 300,684 93,263
45年 20,177 513,172 951,246 358,375 90,989
55年 14,590 296,854 810,204 388,935 66,296
平成2年 17,496 191,859 550,994 356,026 105,188
12年 19,772 161,361 470,833 396,901 141,659
15年 19,581 142,068 395,975 408,585 157,388
晩婚化が進んでいるためもあって、30歳以上の出産比率が上がっています。少
子化の問題点は、20代での出産が少ないことなんですね。
もう一つ興味深いのは、昔はフツーに35歳以上で出産していたということ。子
供は二人という平均家庭の有り様をみんなが同じように作り上げていくのが、
高度成長時代でありました。
ところが、最近になって、子供三人家庭が増加しているとのデータがあります。
【 出生コーホート別妻の出生児数割合(平成14年・厚生労働省)】
調査時年齢 無子 一人 二人 三人 四人以上 平均出生児数
45〜50歳 4.1% 9.1% 52.9% 28.4% 4.0% 2.20人
出生コーホートとは、ある時期に出生した人を一つの集団としてとらえたもの
をいいます。つまり、ほとんどの人は45歳ぐらいまでに、子供を産み終えるの
で、その時点から調査を開始し、結婚している女性に子供が何人いるかを調べ
ています。ちょっと前の傾向が掴めるわけです。
一人っ子は、それほど多くはない。むしろ、子供三人の家庭が3割以上と意外
にあるのが分かります。
今回の吉報は、子供二人家庭に火をつけました。もともと、団塊ジュニアは人
数が多いので、こうしたムードのようなものが、数字に大きく作用するハズ、
というのが私のヨミです。どうでしょうか?
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