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おいしい生活 バックナンバー  第41話〜第60話


当社代表、若林健の中華街探訪ランチエッセイ「おいしい生活」のバックナンバーです。
第1話〜第20話 / 第21話〜第40話 / 第61話〜第80話第81話〜最新エッセイ


目次

第41話 「上海蟹の〜」〜萬来亭〜 (2005/11/09)
第42話 「たこ焼きアジアシリーズ」〜保昌〜 (2005/11/16)
第43話 「アールデコ」〜状元樓〜 (2005/11/23)
第44話 【番外編】「久留米は福岡ばい!」〜魚末〜 (2005/11/30)
第45話 【番外編】「海千山千」〜味仙〜 (2005/12/14)
第46話 「横浜のサンマ」〜聘珍樓〜 (2005/12/21)
第47話 「フォ〜♪」〜龍月食房〜 (2005/12/28) ※2007年2月閉店
第48話 「なべプロ」〜九龍・上海豫園〜 (2006/1/11)
第49話 「おとうちゃん、おかゆができたよ」〜龍仙〜 (2006/1/18)
第50話 「ツラの皮が厚い」〜山東〜 (2006/1/25)
第51話 「三世代家族に人気」〜東林〜 (2006/2/1)
第52話 「血圧が高めの人へ」〜三和樓〜 (2006/2/8)
第53話 「ブームに乗らない!?」〜三蔵飯店〜 (2006/2/15)
第54話 「ビジュアル系中国料理店」〜辣〜 (2006/2/22)
第55話 「楽しさ満点」〜均昌閣・水龍宮館〜 (2006/3/1) ※2006年閉館
第56話 「ブタをプロデュースする」〜勝烈庵(関内)〜 (2006/3/8)
第57話 「可もなく不可もなく」〜王興記〜 (2006/3/15)
第58話 「中華風天丼」〜明蘭餐庁(みんらんさんちん)〜 (2006/3/22)
第59話 「トライトーンファンは是非!」〜愛香楼〜 (2006/3/29)
第60話 「山小屋風カリー」〜アルペンジロー〜 (2006/4/5)

第41話 「上海蟹の〜」 2005/11/09


小学生のころ、山本リンダが好きでした。

「こまっちゃうなぁ〜デートにさそわれて〜♪」
こういう歌詞を理解するには、相応のインテリジェンスとデリカシーが必要です。母親が、何にも言わずに笑っているだけというのもリアルなんだなぁ。よーく書けてる。変声期前だった私は、モノマネに励み、クラスの人気者でありました。この手の努力は、ムチャクチャします。

その後、ヒットに恵まれなかった彼女は、しばらくして大変身を遂げました。ある朝、中学に行こうと身支度を整える私は、六時前にスポットで流れる『おはよう歌謡曲』に惹きつけられたのです。

「噂を信じちゃいけないよぉ〜♪」
そのとおりであります。噂なんか信じちゃいけない。こういう教訓的な歌は、教育上好ましいのである。だから、ヘソを出していても許されるのだ。心理学でいうところの合理化ですね。私の目に狂いはなく、その後も「ボヤボヤしてたら、私は誰かのいい娘になっちゃうよ〜♪」とかいって、リンダ人気再燃。もちろん、支持者の私も時流に乗りました。カラオケのない時代、こういう芸を身につけると、クラスの人気は不動のものとなります。人とは違う目的意識。キャッチーなものは、幼少のころから見逃しませんでした。

さて、セクシー系とでも言うか、当時は恰好がまともでも、歌詞が非凡な女性シンガーが続々と登場しています。奥村チヨ・辺見マリ・安西マリア・金井克子…そして、これもただならぬ雰囲気を感じ取っていたのが夏木マリ。
まったく、芸能界というところは、まんまと流行を作り出し、ファンを創出していくのであります。『絹の靴下』なんてタイトル、フツーじゃ思いつきません。

そして、フィンガーアクション
小指から順番に折り曲げて、男性を誘うようなジェスチャー。身体全体が小道具であると知りました。

さて、料理界のフィンガーアクションといえば、カニでしょう(強引)。この季節、中華街は、上海蟹。『上海蟹のジル』であります(一部バカ受け)。

写真:「萬来亭」の蒸し上海蟹 二週間前から、予約を取り、大好きな『萬来亭』に行ってまいりました。いくら中華街近くに住んでいたとしても、こんなもの、滅多に食べられるものではありません。時期・人数・予算…いろんなものがクリアされて、初めて成立するイベントです。イベント食。ここのお店は、一匹につき大体1,500円ぐらいと考えればいいでしょう。

まずは、単純に蒸したもの。これを手でポキポキバキバキ、タレにつけてチュウチュウと食べます。取り残しのないように、目を光らせつつ、ゆっくりと味わいながら。 写真:「萬来亭」の上海蟹の中国味噌炒め 細かく割っていけばいくほど、身をしごきやすくなり、旨み(甘み)を味わうことができるのです。手が汚れるのは覚悟の上。そういやぁ、手を洗っていませんでした。まぁ、いいか、自分の手だし。食べ方には、性格が反映される。面白いものです。

二回戦は、上海蟹の中国味噌炒め。八丁味噌がベースの甘めの味付けで、ご飯が食べたくなります。甘めというのは上海料理の特長ですね。だから、中華の中でも上海料理は女性や子供に人気があるのです。いやぁ、大満足でした。

オススメ度 >>> ★★★★★

「萬来亭」 横浜市中区山下町126番地 (市場通り先) 045-664-0767

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第42話 「たこ焼きアジアシリーズ」 2005/11/16


旅先で、見ず知らずの食べ物屋に入り、「ここのおすすめは何ですか?」と尋ねると、ちょっと恥ずかしそうに「全部、おすすめです」と言われた場合、90%の確率でアウトだ。これは、小学生に「得意な科目は何?」と聞いたのに同じ。「う〜ん」とうなりつつ、身体をくねらせる子供は、視線を合わせようとしないので、すぐ分かる。こういう小学生は、苦手な科目もないわけで、パッとしません。ずぅっとパッとしない。

長所を知っているからこそ、短所が分かる。客観的な判断力と向上心がなければ、ダメなのである、味師(あじし・勝手に創りました)は。

だから、情報がないお客様に対し、0.2秒で一番の自信作を言えなければ、飲食店のリピーター作りはあり得ません。誰が聞いても、看板メニューは一つ。四番打者が大勢いてダメなのは、巨人が実証済なのだ。

写真:「保昌」の店内 香港路の『保昌』は、小さな店舗の壁いっぱいに、過去のテレビ出演とそのとき紹介された一品の写真が並んでいる。

どっちの料理ショー  “チャーシューまんじゅう”
どっちの料理ショー  “レバニラ炒め”
う、うまいんです   “海鮮中華風たこ焼”
ダウンタウン7    “上海蟹の黒豆ソース炒め”
チューボーですよ   “肉だんご”
チューボーですよ   “春巻”
チューボーですよ   “広東麺(五目そば)”
写真:「保昌」のたこ焼 戸惑いつつも、たこ焼を選択。何せ、一個700円というのがいい。さぞかしウマいであろうと思いませんか?700円でのプチ贅沢ということ。
「……。」
カニの爪というか、カマボコというか、薩摩揚げというか、だからどうしたのっていう感じ。イカに醤油をつけて、ただ焼いただけのほうが、絶対美味しい、ホント、700円だし。やっぱりたこ焼は、関西に限る。わざわざ海鮮というネーミングも、どうも、ねえ…。

オススメ度 >>> ★

「保昌」 横浜市中区山下町138番地 (香港路)  045-681-4437

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第43話 「アールデコ」 2005/11/23


中華街オシャレ度ナンバーワンとして、(今のところだけど)このお店をオススメします。写真:「状元樓」の黒醤油の焼き飯座っていると、喫茶店と間違うような清潔感あふれる店内は、1920年代フランス租界時代の上海邸宅をモチーフにしたとのこと。大通りに構える『状元樓』が、最近のマイブームです。

何を紹介するか迷ってしまうほど、何でも美味しいけれど、今回は「中国伝統黒醤油の焼き飯」を。見た目はあんまりだけど、これがどうして。塩加減がちょうどいいのは、上海料理ならではということかも。

チャーハンの生命線は、ベチャっとならないこと。ご飯がパラパラじゃなければ、チャーハンとは言えません。ところが、いろんな具材が加わり、調理にスピード感がないと、そうはいかなくなる。料理人の腕の違いが最も出やすいのです。ここのは、美味しい。ホント、オススメです。

オススメ度 >>> ★★★★

「状元樓」 横浜市中区山下町191 (中華街大通り)  045-641-8888

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第44話 「久留米は福岡ばい!」 2005/11/30


写真:「魚末」の箱ウニ 子供のころ、ウニというものは瓶詰めのものであり、やたらと塩辛くて、いつまでも冷蔵庫に居残っていたという印象だった。塩昆布と同じポジションで、おかずがないときの控え選手という。私の知る限り、ウニ好きの子供はいませんでした。

本当は、ナマで食べるらしい。

どうなのかな?寿司ネタに並んでいたかどうかも記憶がない。ナマで食べるようになったのは、昭和40年以降ではないだろうか?高度成長の証しですね。冷蔵技術の進歩に伴い、海産物業界が激変したということ。おそらく、昔は、美味しいものは流通させず、漁師仲間で分け合っていたんでしょう。

ところが、最近は回転寿司でガキが喰ってやがる、酒も飲まずに。ケッ。「おかあさん、ウニ、もっと食べていい?」だと。こういう子供には、『三丁目の夕日』でも見せなさい。

写真:「魚末」のゴマサバ さてさて、このウニを博多・大名町『魚末』では、箱で出している。 箱ウニ1500円。居酒屋のメニューで、箱に入って(乗せて?)出てくるのは、ウニしかない。箱ですよ、箱!!なんかこう、

オレも偉くなったなぁ
という感じ。博多の居酒屋では、定番メニューらしいです。「ウニは広いな、大きいな♪〜」、ハハハ(嬉しくて壊れました)。

このほか、今の時期は、サバ。特にゴマサバも脂が乗って美味である。
クゥ〜、移住しようかしらん?

オススメ度 >>> ★★★★

「魚末」 福岡市中央区大名2-1-30 琴谷ビル1F  092-713-7931

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第45話 「海千山千」 2005/12/14


二十年ぐらい前までは、名古屋で食事をして美味しいと思うことは、滅多になかった。 写真:「味仙」のエビマヨ そもそも、この地は港があるにも関わらず、新鮮な魚に恵まれていないため、食材の点でハンディを背負っていた。だから、何にでも味噌を付けたがり、ちょっと寂しくなると、守口漬を投入する。結果、ご飯は進みます。食べるための食事。

ところが、この店に行ってから、イメージが変わりました。今池の『味仙』。一年中、中華料理を食べているので、地方に出たときは、食べないようにしているものの、この店は例外である。ピリ辛の一品料理が多く、味つけは全体的に濃い。だから、ビールがじゃんじゃん進むのだ。

写真:「味仙」の台湾ラーメン 私の「エビマヨ」デビューはこの店だった。15年ぐらい前だろうか、滅茶苦茶身体に悪そうな料理に、恐るおそる箸をつけてビックリ。甘いマヨネーズプラス海老ということ。合いますね、相性抜群。ボリュームもある。「手羽先」「シジミのニンニク漬」「ナス炒め」なども美味しい。

そして、締めはもちろん「台湾ラーメン」だ。唐辛子が効いたスープと辛ミンチが絶妙な逸品で、この店が「台湾ラーメン」発祥の地と言われているが、今ではお店のみならず、「名古屋の味」として知られるようになったほど。
う〜ん、胃袋が四つ欲しい。

オススメ度 >>> ★★★★★

「味仙」 名古屋市千種区今池1-12-10  052-733-7670
URL http://www.misen.ne.jp/

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第46話 「横浜のサンマ」 2005/12/21


前から気になっていたけれど、入っていなかった大型店がいくつかある。それは、団体客を主体とする営業方針もあるが、何より値段が高いからだ。観光客ならともかくも、フツーに暮らしている私が、昼食に三千円も出せるかという感じ。このあたり、江戸っ子で気風(きっぷ)のいいB型父親と典型的関西人でドケチなA型母親の矛盾したDNAが、交互に顔を覗かせ、自分でも何を言ってるんだかよく分からない。

で、今日は負けてたまるかとB型が優勢。横浜で生まれたサンマー麺を創案したと言われている『聘珍樓』へ一人で立ち向かう。

いきなり、名前を聞かれ、ゴージャスなロビーで待てとの指示にビビらされた。なんだか、店員が異常に多い。結婚披露宴の控室みたいな雰囲気になっちゃってる。くわ〜っ、サンマー麺、食べに来ただけなのに。

しばらくして名前が呼ばれ、ボーイさんに連れられてエレベーターで二階へ。消防署員だったら、怒られそうですね、二階なのに。驚くべきは、エレベーター担当者はその操縦のみ。ほどなく、フロア担当の女性が入れ替わりでマークにつく。マンツーマンアンドウーマン。ベッカムクラスではある。

二階の一番奥の席に座らされました。もう逃げられないってこと。何だか分からないバイオリン独奏のクラシック曲が流れ、岸田今日子でも出てきそうな雰囲気で、さらにプレッシャーがかかる。チキショー、オレはサンマー麺を食べに来ただけなのに。

写真:メニューが四冊 青木さやか似のオネエサンが、メニューを持ってくる。これが、四冊。本気かよ、サンマー麺なのに。飲物の部が二種類とコースメニューと一品料理と。全部読んだら、20分はかかります。ハハハ、サンマー麺が一番安くて、990円でした。

ここで、知らない人のために解説しておく。サンマー麺とは、しょうゆ味のスープに細めの麺。その上に、モヤシ、キャベツ、ニンジン、タマネギ、豚肉、きくらげなどの具を炒めたものを乗せたもの。主役がもやしというところがポイントで、どう考えたって、値段取れないでしょう。でも、990円。サンマー麺なのに。

しばらくして、青木嬢登場。「ご注文は?」に気圧されて、飲みたくもない食前酒とシュウマイをついでに頼む。食べたくないし飲みたくないけど、意地がある。何の?見栄です。このあたり、弱いんだなぁ。なめられたくないという。誰に?

写真:「聘珍樓」のサンマー麺 さて、本丸のサンマー麺だが、モヤシのシャキシャキ感に反し、麺が軟らかすぎてアンマッチ。スープもモヤシの水っぽさに負けておりました。ほかのお店だと、具があんかけ状で、もうちょっと濃厚なんだけど、ここのは極めてアッサリ系で、あくまで、ほかの料理の邪魔をしないように釘刺されてる、そんな感じだった。

ちょっぴり落胆して、レジへ足を運ぶと、傍らにいた店員が、小脇に抱えたむき出しの荷物を見て、さっと紙袋を差し出し、「どうぞ、お使いください」だと。

う〜ん、中華街でもお金さえ出せば、サービスは一流なのである。値段も超一流でした。サンマー麺、食べに来ただけなのに。

オススメ度 >>> ★★

「聘珍樓 横濱本店」 横浜市中区山下町149 (中華街大通り)   045-681-3001
URL http://www.heichin.com/

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第47話 「フォ〜♪」 2005/12/28


ロンドンブーツの派手な方とインリンに圧勝したH・Gがサンタクロースに扮して、子供のいる家庭に押しかけ、若い両親がどちらのプレゼントを受け取るかというくっだらない番組をやっていた。人気投票である。こんなもん、決まってるじゃん、くっだらねぇ〜と見続けていたら、予想に反し、H・Gの圧勝でした。「話が面白くても、技がない」なんて言われてた、ロンドンブーツ。どうやら、小学生の腰フリは、そこらじゅうで行われているようだ。 写真:龍月食房のフォー そして、決めゼリフ及びポーズ「フォ〜♪」。コスチュームも合わせ、よくできている。

中華街にあって、何ともエスニックな雰囲気が漂う店は『龍月食房』。中華メニューが主体であるものの、パクチーも大活躍なのである。数あるランチの中からは、もちろん、

「フォ〜」
を選択。冷静さを装って、ポーズをつけずに注文する。
「あの…フォーを、お願いします」
なんだい、なんだい。頼みにくいじゃないか、レーザーラモン。そのうち、カップ麺のCMか何か、やるんだろうね。

さてさて、お味のほうは…美味しいです。すっぱさと塩加減、ほんのり甘みのバランスが絶妙で、コクのあるスープがウマい。強烈に辛いタイの唐辛子も効いている。これで、コーヒーとクッキーが付いて600円。いいじゃないですか。OLっぽい女性客が多いのも頷ける。

写真:フォーチュンクッキー ランチにもれなく付いてくるのは、フォーチュンクッキー。中華街の土産物屋で売っており、中からおみくじが出てくるのが嬉しい。

【大吉】 感性豊かな気運。新しいことにトライしましょう。ラッキーカラーは白。ラッキーナンバーは3 *この紙はたべられません

オススメ度 >>> ★★★

「龍月食房」 横浜市中区山下町200   045-681-1185
URL http://www.b-moon.co.jp/dragon

※2007年2月閉店
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第48話 「なべプロ」 2006/1/11


中華料理にも鍋料理はあるのだが、積極的な販売姿勢というものが感じられない。予約制となっている店が多く、その場合、メニューにも載せていないのだ。 それは、

  1. コストパフォーマンスが悪い(ほかの料理を頼まなくなる)
  2. お客の長尻を許してしまう
  3. 調理する張り合いがない…
う〜ん、もっとほかに理由があるのかも。とにかく、あるようで、ない。

写真:九龍・上海豫園の火鍋 そこで、新年会は長安道の『九龍・上海豫園』に決定。総勢八名で乗り込み、香港式しゃぶしゃぶ(いわゆる火鍋)を注文した。

火鍋とは、上湯スープやピリ辛スープに魚・肉・野菜などをしゃぶしゃぶして食べる中国の鍋料理の総称で、香港式は鍋自体が二部屋に仕切られており、一度に違った味を楽しめるようなっている。
そして、熱湯をくぐらせた具材に二種類のたれを使い分けて味わうのだ。

これは、美味い。そもそものスープに、唐辛子・山椒をはじめ、薬膳っぽい複雑な味付けがされているのがよく分かる。身体がポカポカと温まり、オススメです。

オススメ度 >>> ★★★★

「九龍・上海豫園別館」 横浜市中区山下町200(長安道)  045-661-1722

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第49話 「おとうちゃん、おかゆができたよ」 2006/1/18


中華料理のイメージとして、油っこいというのがありますが、本物の(華僑でない)中国人には、太っている人がむしろ少ないように思います。厚生労働省が発表している栄養調査によれば、国民レベルでの中国人の栄養摂取状況は、戦後間もなくの日本人に近く、確かに、日本人も昔は太った人が少なかったと納得する次第です。

そして、中国は、おかゆの本場であり、朝食はザーサイだけ入ったおかゆ。モロに炭水化物といった感じが普通にあるらしい。ここでのポイントは、あったかいこと。中国人にとって、栄養価は二の次で、身体の中からほかほか温かくすることが重要なようです。医食同源ですね。
ちなみに「粥」という漢字は象形文字で、左右の「弓」はあつあつのおかゆから立ち上る「湯気」をあらわしているそうです。ちょっと薀蓄。

写真:「馬さんの店 龍仙」の龍仙粥 中華街に宿泊して、チェックアウト前にもう一軒だけ行っておこうと考えたときに、やっているお店は多分ここしかありません。長安道に構える『馬さんのお店〜龍仙』です。朝7時に開店し、店を閉めるのが午前3時だと。掃除はどうしているんだろうと、気になるところではある。

さて、20種類ぐらいあるおかゆメニューの中から、「龍仙粥」(700円)を選択。日本のお粥は、本場のものに比べ、余計な具がたくさん入っているらしい。そうでもしなければ、値段が取れないということか。
ほどなく運ばれてきたお粥の中には、ホタテ、イカ、白身魚、エビが沈んでいました。そりゃあ、美味しいんだけど…朝食としてはちょっと高いし、くどいかな。お酒を飲んだ翌日の胃にやさしいシンプルなそれが、300円ぐらいだったら、すごく流行りそう、そんな気がします。

オススメ度 >>> ★★★

「馬さんの店 龍仙」 横浜市中区山下町218-5(長安道)  045-651-0758
URL http://www.ma-fam.com/

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第50話 「ツラの皮が厚い」 2006/1/25


中華料理といっても、いろいろあります。「北京」「上海」「四川」「広東」「台湾」「香港」「湖南」「福建」「山東」…。だから、飽きないんですね、味付けがかなり違う。これは、日本料理でも同じです。東北は塩味が強いし、京都は薄味、九州で使っている刺身醤油なぞ、甘辛くてビックリします。ましてや、それが中国のことですから、広い国土に合わせるように、特徴的なスタイルが散在しているのです。

写真:「山東」の水餃子 中華街大通りから少しだけ脇道に入った『山東』はその名の通り、北京近くに位置する山東省の家庭料理を出しているお店です。どのテーブルにも乗っかっているのが水餃子。中華街で水餃子といえば『山東』だと言われるほどの代表メニューです。

ここの水餃子は皮が厚く、モチモチとしていて食べ応えがあります。中にはニラがぎっしり。一皿10個(700円)ですが、一人では食べ切れません。迂闊にも、私は一人で入り、オマケに焼きソバまで頼んでしまったので、最後は苦しかったです。三人以上で行くのが、ポイントだということが予めの留意点。中華料理は、大勢で行くのが基本だけど、このお店は特にそう。決して一人では行かないでください。それぐらい、ボリュームがあります。

写真:「山東」の水餃子 水餃子をひきたてているのは餃子のタレ。サーチャージャンをベースにした秘伝のタレなんだとか。ココナツが入っていて甘辛く、コクがあり、思わずすくって飲んでしまいました。

焼きソバは、塩味が強く、ちょっと苦手な味でした。塩ソバって感じ。日本と同じで、北京・山東料理は、寒い地方であり、しょっぱい傾向が強いのです。お酒は進むんですけどね。

オススメ度 >>> ★★

「山東」 横浜市中区山下町150  045-212-1198

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第51話 「三世代家族に人気」 2006/2/1


中国では旧暦の正月を「春節」と呼ぶ。今年は1月29日。つまり、中華街にはお正月が二度やって来るのです。日本になったり、中国になったり。イベントが多いのは、お店にとって都合がよさそうですね。いろんなものを通じての広報宣伝によって、去年よりも人手が多くなっているように思います。高齢者グループが増えているような…気のせいかな?

どの店も、見事に行列ができてました。こういう日にお客さんが並ばないようでは、アウトです。中華街大通り、関帝廟通りは、歩くのも困難。そこで、今回は子供連れに人気のある『東林』をチョイスしました。子連れが多いということは、お酒を飲まないので、そこそこ回転率がいいであろうとのヨミです。前に三組並んでいたけど、15分ぐらいの待ち時間でクリア、まあまあですね。

ここのお店は、中国人による経営にも関わらず、気配りがとてもいい。前に書いたような「テトリスっぽい」ことをしないし、応対がやわらかく、要するに「早く食って、とっとと帰れ」というイライラした空気を感じさせません。だから、家族連れにとって、居心地がいいのでしょう。 写真:「東林」の渡り蟹の卵いため 冬の子供連れは、付属品がたくさんあるので、ゆったり座りたいですから。

さて、肝心の料理ですが、なんといっても「渡り蟹の卵いため」(2310円)でしょう。ふわふわの卵に一匹丸ごと身(実?)の詰まったワタリガニは、味・ボリュームとも文句なし。ニンニクが効いていて、紹興酒が進みます。これだけを食べに来てもいいくらい。

全体としては、北京料理であるため、塩加減が強めです。あわびスープや五目ソバ等、汁ものはやや疑問でした。まぁこれは、好みですね。デザートのごま団子は上品な甘さ。ここは、三世代がゆっくり楽しむのに最適です。ホント。

オススメ度 >>> ★★★★

「東林」 横浜市中区山下町221 (福建路)  045-201-8255
http://www.tvk-bb.tv/gourmet/go01-300w/05/go010506-300w.html

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第52話 「血圧が高めの人へ」 2006/2/8


中国でもお正月が最大のイベントで、春節には帰省ラッシュ・渋滞が起こるそ うです。しかしながら、日本のような典型的なおせち料理のようなものはありません。各家庭で、余暇やお金が余るようにと願いを込めて、「余」と同音の「魚」、吉が多いようにと吉利の「吉」と同じ音の「鶏」、来る年はさらにいい年であるようにと年年高昇の「年高」と同音の「ねんこう」(餅)など縁起を担いだものが並べられます。こじつけは一緒だけど、自由度が高いんですね。13億人ですから。

写真:「三和樓」の春節限定コースのメニュー 中華街の中で、春節期間(1月26日〜2月26日迄)限定で2,006円の特別コースを提供している関帝廟通りの『三和樓』に行ってきました。そのメニューは、以下のとおり。

  1. 上海クラゲと中国ハムの前菜盛り合わせ
  2. カニ肉と豆腐のスープ
  3. ロンジン茶と芝海老の香り炒め
  4. 上海もちと青菜炒め
  5. チャーハン
  6. 黒ゴマあん入り白玉のデザート
正月らしいと言えば、上海もちぐらいでしょうか?なんかこう、パンチが効いていませんでした。上海料理にふさわしく海の幸をふんだんに使用し、素材そのものの味を生かすということですが、中華では珍しいくらいの薄味。今まで食べた中で一番薄かったように思います。甘みも抑え気味。だから、こってりが苦手な人には、オススメです。

ただし、チャーハンは久々のヒットでした。パラパラ系。次回は単品で狙ってみましょう。

オススメ度 >>> ★★★

「三和樓」 横浜市中区山下町190 (關帝廟通り)  045-681-2321
http://www.sanwarou.com/

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第53話 「ブームに乗らない!?」 2006/2/15


痛風というのは都合がいい病気で、これが原因で死ぬことがありません。痛いだけです。めちゃくちゃ痛いだけ。ちょっと、ビールを飲みすぎたりすると、じわ〜んと痛みがやってきます。それでも、頑張ったりすると、激痛が襲う。ビックリです。だけど、そこで抑え気味にすれば、どうということはない。静かに潜行して、いきなりレッドカードを突きつける糖尿病とは、ちょっと違う。

写真:「三蔵飯店」のマーク これは何かに似ているぞと思いながら、『西遊記』を見ていたら、ありました。孫悟空の金の輪っか。「緊箍児」(きんこじ)というんだそうです。悪さをすると三蔵法師の経文により輪が収縮し、頭が締めつけられる。 お経を読んで、そんなことができるんだったら、もっと手っ取り早い方法があるような気もしますが…。孫悟空にとって、「緊箍児」は「痛風」でした。そう思って見てると、結構気の毒で、女の人はコワイと、全く別の見方をしていました。あれっ、三蔵法師っておんなだっけ??

さて、ブームに乗って、『三蔵飯店』に行きました。お店のマークが可愛らしいですね。メニューの中から、「鶏肉とカシューナッツ炒め」「白身魚の甘酢がけ」「麻婆豆腐」「排骨飯」を注文しました。なるほど。上海料理らしく、甘辛い強めの味付けで、ご飯が進むという感じ、ボリュームも多めです。お店の対応も悪くない。

だけど、「きんとうん」にちなんだスープとか「如意棒」みたいな春巻だとか、そういうのを見たかったんだなぁ。いいえ、余計なちょはっかいでした。

オススメ度 >>> ★★★

「三蔵飯店」 横浜市中区山下町190 (市場通り)  045-650-5277

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第54話 「ビジュアル系中国料理店」 2006/2/22


麻婆豆腐専門店の『辣(ラー)』が2月8日、店舗拡張し、リニューアルオープンしたのに伴い、メディア関係者へニュースリリースを送るお手伝いをさせていただきました。『辣』には他店にない特長がたくさんあります。それは、

  1. 横浜中華街唯一の麻婆豆腐専門店である。
  2. ただ辛いというより、花山椒の香りが強く、しゅわーっと引いていく後味の良さで、クセになるような独特の味覚を創り出している。
  3. ライスは食感を重視してタイ米を使用。これをせいろで蒸している。
  4. 外観は、スタイリッシュで、イタリアンレストランの雰囲気を持つ。
  5. こだわりのインテリアには、思わず絶句。デザインが斬新で高級感が漂う。
  6. 夜のメニューは、油や砂糖の使用が少なめで、もたれることがない。
  7. フロアの店員はすべて男性。しかも、ジャニーズっぽいイケメン揃い。
などなど。

こういうお店のパブリシティ(広報)は、ラクです。
早速、地元テレビ神奈川の「ハマランチョ」から、取材依頼がありました。

打ち合わせに来られたディレクターの方は、リリースに同封した写真に惹かれていたようです。
写真:TVK『ハマランチョ』の取材風景 ランチの女王ばりのイケメンボーイズ。そりゃあ、そうですね。テレビの場合、味よりもビジュアル優先。ここが、新聞社に対するときと、(広報の)やり方が違うのです。

翌日のテレビクルーによる取材に立ち合わせていただきました。レポーターの天雀(テンチュエ)さんが、番組の15分くらいのコーナーを受け持ち、インタビューしながらお店の特長を引き出していくのだけれど、進行にムダがなく、取材陣のチームワークの良さや番組に対する愛情が、ひしひしと伝わる心地よい時間。こういうの、好きなんだなぁ。現場はいつも、楽しいものです。

オン・エアは、来週2月28日(火)12:30からとのこと。是非、ご覧ください。

写真:「辣」のスタッフ。左からフロアスタッフの山本さん、シェフの張(チャン)さん、支配人の蓮尾さん、フロアスタッフの近澤さん 【イケメン揃いの「辣」のスタッフ】

「辣」 横浜市中区山下町217 (福建路と西門通りの交差点)  045-663-9163

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第55話 「楽しさ満点」 2006/3/1


浦島太郎という人が、かなりの人物だと思うのは、助けたカメに誘われるがま ま、ウェットスーツも着ないで海へ潜っていくところ。度胸があるというか、不思議な話です。お礼が欲しかったのでしょうか?で、もっと不思議なのは、決して開けてはいけないお土産を渡す乙姫のセンス。勝手に誘い込んでおいて、それはないでしょう。う〜ん、おとぎ話としての教訓を考えてみました。

こんなところですか。おとぎ話とは、「むかし、むか〜し」で始まって、「め でたし、めでたし」で終わるのが普通なのに、結末がブラックで馴染めませんでした。浦島が金太郎や桃太郎に比べて人気薄なのは、彼自身の市役所勤務みたいな平凡さによるものでしょうが、それにしても…。

と考えて、「待てよ」と気づいたのであります。これと似た話。

写真:『均昌閣水龍宮館』の店内 『クラブ乙姫』ですね。カメはキャッチセールス、玉手箱が請求書。楽しい時間を現実に戻すケジメについての大人の教訓でした。よい子たちには、分かりづらい水商売ではある。

ゴホン

さて、中華街にも龍宮城があります。それは、北門通りにある『均昌閣水龍宮 館』。水の都・蘇州をイメージしているらしく、一階フロア全体に池が広がっていて鯉が泳いでいます。そこに、ゆったりしたスペースをとって、個室っぽく東屋が設けられているのです。こんなところに、よく造ったと思いますが、ホント、よく出来ています。アミューズメントパークといった感じ。

土日祭日ランチ1,800円は、以下のとおり

写真:『均昌閣水龍宮館』の外観 1. 前 菜
2. 三色フカヒレスープ
3. 芝海老チリソース
4. 下記の3品より1品を選択
 (ア)貝柱入り中国風オムレツ
 (イ)ザーサイと豚肉の炒め物
 (ウ)サヤエンドウと牛肉のXO醤ソース炒め
5. チャーハン
6. 下記の2品より1品を選択
 (ア)特製杏仁豆腐
 (イ)マンゴプリン

土日にランチをやっている店は少ないので、これはとてもリーズナブルだと思 います。ただし、お味は特別どうってことありません。フツーです。

それでも、四人以下の少グループや地方から来られた方には、特にオススメい たします。お店のサービスがよく、ゆっくりできるのもマル。

オススメ度 >>> ★★★★

「均昌閣・水竜宮館」 横浜市中区山下町200番地 (北門通り)  045-661-0701
ウェブサイト:http://www.kinshokaku.co.jp/
※水龍宮館は2006年に閉館しました。

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第56話 「ブタをプロデュースする」 2006/3/8


そもそもフツーにブタを食べだしたのは、最近のことです。こういうものは、冷蔵庫なしでの普及が難しいということもあるでしょう。だから、家畜としては、牛や馬、山羊たちに比べて貢献度が低く、江戸時代にはゴミ処理担当という存在であったようです。太っている人に対し、牛と言わずブタだとするのは、そのせいですね。違いますか?

この豚が脚光を浴びるようになったのは、「とんかつ」が開発されてから。「とんかつ」の歴史を調べました。

1899年(明治32年)銀座『煉瓦亭』でポークカツレツ誕生
1904年(明治37年)キャベツの千切り登場
1913年(大正 2年)カツ丼誕生(最初はソースカツ丼だった)
1963年(昭和38年)森繁久弥主演の東映「喜劇とんかつ一代」でブームが

ちなみに「とんかつ」の語源ですが、フランス語の「コートレット・ド・ポール・パネ」(骨付き豚肉の揚げ物の意)に由来しており、日本に渡って揚げ物専門の言葉として、「コートレット→カツレツ」となりました。そして、日本語のトン(豚)とカツレツが一緒になって出来上がった造語が「とんかつ」とのことです。こういうの、誰か言い出した人がいたんでしょう。昔にしては、軽いノリですね。いいセンいってます。

写真:『勝烈庵』の勝烈定食 さて、横浜の老舗として有名なのが、関内・馬車道に本店がある、その名も『勝烈庵』。このお店は、本通から一本裏道に入り、決して場所がいいとは言えませんが、行列のできる名店のひとつに数えられています。何せ、看板メニューの勝烈定食が1,370円とちょっと高め。余程、美味いに違いありません。

入店すると、二階までもある広め店舗に従業員がうじゃうじゃ。活気があります。カウンターに通されると、オープンキッチンで分業化された調理人の進行をしっかり確認できました。そんなに複雑な作業とも思えないんだけど、五人のコックさんが、手際よく動いています。

オーダー後、五分くらいでしょうか、さっと運ばれてきます。ヒレカツのキャベツ添え、しじみの味噌汁、ごはん、香の物といったところ。ボリュームはたいしたことないんだけど、お味のほうは…

う〜ん、唸ってしまいました。食感が違う、ソフトです。使われているパン粉のきめが細やかで、フツーの「とんかつ」のようなザクザクした感じがありません。これが、豚肉のやわらかさと相まって、ノドの奥へと溶けるように入っていきます。

もうひとつの驚きは、ソースでした。塩分を抑え、果汁たっぷりなのがハッキリ分かります。「とんかつ」ソースは、濃厚なやつが多いので、食後にやたらとノドが乾くことが多いのですが、ここのは違います。思わず、飲みたくなるような繊細なお味でした。これは、ウマい。さすが、みんなが認める名店でありました。あとは、値段ですね。

オススメ度 >>> ★★★★

「勝烈庵」 横浜市中区常盤町5−58−2  045-681-4411

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第57話 「可もなく不可もなく」 2006/3/15


「あ、ちょっとちょっと、北京ダックあるかな?」
   「申し訳ありません、うちにはおいてません」
「じゃあ、フカヒレを」
   「すみません、それもないんです」
「なんだい、何もないじゃないか」
   「えぇ、当店は、鴨なくフカもなくです」

誰に聞いたんだか忘れましたが、結構気に入っているジョークです。

という訳で、今回は久しぶりにフカヒレ話。昨年、南門シルクロードに新装オープンした『王興記・本店』に行ってきました。

写真:『王興記』の天井画 このお店は、若い人を意識しているんでしょう。オシャレです。ただ、オシャレな店というのは、ゴテゴテ飾らないために外観が地味になり、入りづらくなるという弱点を抱えています。スタイリッシュを標榜する店ほど、入りづらい。難しいもんですね。

店内は、黒と赤で統一されており、高い天井を見上げると、そこには巨大な龍が大迫力で。あんなとこへ、どうやって描いたのか、気になるところではあります。

写真:『王興記』のフカヒレ丼 さて、ランチメニューからフカヒレ丼を選択。丼といっても、フカヒレあんはご飯と分かれて登場します。前菜3種、スープ、梅ザーサイ、杏仁豆腐が付いて980円はまあまあかな。気仙沼産だというフカヒレあんは薄めの味付けで、よーく見ると小さいやつがちょこちょこと。全体のボリューム感は充分です。

だけど、フカヒレというのは、ほとんど味がないのに、なんで高価なのでしょうか?きっと、たくさん食べたときにコラーゲンを堪能できるのがいいんでしょうね。そういう意味では、ちょこっと食べて、美味しいものでもない。そんな気がします。

オススメ度 >>> ★★★

「王興記」 横浜市中区山下町187-6 (南門シルクロード)  045-651-4333

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第58話 「中華風天丼」 2006/3/22


知らないお店を選ぶとき、まず考えるのは、お客さんが入っているかどうかです。だから、呼び込みなんかやっている店主の気持ちが分かりません。絶対、入りたくなくなる。そんなお店も、中華街には何店かあります。店がヒマなので、従業員を遊ばせておくのがもったいないと考えるのでしょう。

こういうお店は、今いるお客さんを大事にしません。確定している売上げに興味なし。ヒマなもんだから、食べ終わるとお皿をすぐに片付けたりして、早く帰れと言わんばかり。

本当は、そんなときこそ、お茶をサービスしたりして、「どうぞ、ごゆっくり」なんて言えばいいのです。つまり、客の滞在時間を引き延ばすことで、混雑を演出すればいい。デパートの実演販売なんかでは、お客さんが集まってくるまでは、余計な会話をして、時間を稼ぐ(すぐに梱包して会計を終わらせない)のが常識なのです。

店内の様子が窺えないような構えのお店では、掲示物が重要です。この場合、インパクトの強い情報は、多いほうが引っかかりやすいでしょう。そういうときに、テレビ番組での紹介履歴が、お店にとって、役に立ちます。一方で客側には、ほとんど役立ちません。テレビの美味しいにはウソが多いから。

そりゃあ、そうですね。わざわざ取材して、「微妙な味ですね」なんて、言うわけない。そういうことを踏まえて、賢い消費者は行動を決めましょう。

写真:『明蘭餐庁』の中華風天丼 さて、「どっちの料理ショー」で取り上げられた四川料理の『明蘭餐庁』を訪ねました。

まず、番組でお薦めだった「坦々麺」(750円)を。赤めのスープに甘めの挽き肉とあさつき、それにニンニクチップがのっかってます。挽き肉は作りおきを乗せたのか、冷たかったです。そして、四川にも関わらず、スープはまったく辛くありませんでした。コクもなし。フツーです。

もう一つ、店先のショーケースにあった「中華風天丼」(1200円)を注文。このメニューは、変わってます。他店には見られません。期待できそう、かな?

運ばれてきたそれは、ズバリ、エビチリ丼のことでありました。やや大きめのエビが食べやすい形にカットされて、エビチリソースに絡まって…。濃い目の味付けは、化学の味がしました。クックドゥ。食後にやたらとノドが乾きます。

オススメ度 >>> ★★

「明蘭餐庁」 横浜市中区山下町147  045-681-3085

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第59話 「トライトーンファンは是非!」 2006/3/29


おかゆのところでも書いたけど、どうも中国人は、白いごはんをフツーに食べている気配がない。チャーハンだってそうだし、中華丼だって。役者として、素顔で登場せず、いつも「かぶりもの」をつけているような感じ。
おこげもそうですね。日本人にとって、こげることは、ネガティブなんだけど。どうも、そのあたりは、米のマズさが影響しているような気がする。違っていたら、教えてください。

さて、本日のご紹介は、昨年末にリニューアルオープンした『愛香楼』。中華街の新しいシンボル「横濱媽祖廟(よこはままそびょう)」の斜め前に位置する広東料理のお店です。
ここは、創作中華を標榜していて、カリカリ揚げ豆腐麻婆フォンデュとか広東おこわ入り手羽餃子だとか、結構気になるメニューがあるんだけど、初回の今日は、いろいろあるランチメニューから、日替わり石鍋ランチ(650円)を選択しました。

石鍋の中身は、曜日によって変わります。

月曜  卵
火曜  牛肉
水曜  豚の角煮
木曜  鶏肉
金曜  野菜
今日は月曜なので、卵の日。15分ぐらい待たされて出てきたそれは、熱々の天津丼といったふうなんだけど…、いやぁ、これが滅茶苦茶おいしかったです。 写真:『愛香楼』の石鍋 ふんわりしたタマゴがたっぷりと乗っかって、タマゴファンの私には堪りません。
底のほうは、ご飯がちょっぴり焦げて、石鍋ならではのパリッとした食感がうれしい。上品な薄めの味付けもマルでした。ランチに付いてくるデザートの杏仁豆腐もよくできてる。単品でもおかしくありませんでした。それくらい、いい。

お店の雰囲気、サービスの良さ、値ごろ感とも文句なし。次の日にも、また来たいと思うお店は滅多にありませんが、メニューの豊富さからもここは別格です。久々のホームランでありました。

オススメ度 >>> ★★★★★

「愛香楼」 横浜市中区山下町103   045-662-8180
Web Site http://www.rouishin.com/yamucha

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第60話 「山小屋風カリー」 2006/4/5


とにかく変わっています。

写真:『アルペンジロー』の外観 オーナーは、市役所勤務からの脱サラで、その後、群馬県でのロッジ経営を経て、二十年前に伊勢佐木長者町へカリーのお店を出したとのこと。 ログハウス調の外観は、『アルペンジロー』を体現しています。店内が、ステーキハウスを思わせるようなカウンター席と、ゆったり落ち着ける椅子席のスペースに分かれているのも、またオシャレ。この段階で、かなりポイント高いです。

カリーのメニューは、鳥・豚・和牛・野菜・海の幸から選びます。そして、六段階に分かれた辛さに、山の名前でランク付けして遊んでいるのがご愛敬。ここでは、天国というのが一番辛く、エベレスト、アイガー、キリマンジャロ、富士山、野毛山と続きます。今回は、鳥・130グラム・エベレストを注文しました。

写真:『アルペンジロー』のカウンター席より厨房を見る カウンター席からであれば、コックさんの動きを眺めることができ、これもまた楽しい。こういうの、フランベっていうんでしょうか?火吹き男みたいな感じ。興奮の演出ですね。

写真:『アルペンジロー』のカリー ほどなく運ばれてきたカリーは、小麦粉を使用しないスープ状です。長時間煮込んでいた(一週間とのこと)のがハッキリ分かるような濃厚な味。エベレストだけど、野菜の甘みがたっぷりで、辛さが気になりません。

これは、うまい!すご〜く美味しいです。

写真:『アルペンジロー』のご飯 そして、ご飯がユニーク。なんと、可愛らしい赤い飯盒に入れられて登場します。トッピングにオニオンフライ。何から何までニクイ演出で、すっかりやられてしまいました。

関内には、「カレー博物館」なんてあるけど、あそこへ行くなら、

ちょっと待った!
そこから一キロだけ、余計に歩けば、この店があります。ホント、一度是非訪ねてみてください。

オススメ度 >>> ★★★★★

「アルペンジロー」 横浜市中区弥生町3-26(市営地下鉄「伊勢佐木長者町」駅下車 徒歩5分)
045-261-4307

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