中国の人たちは、身体が冷えるのはよくないとの漢方的発想で、サラダみたいな
メニューがほとんどありませんが、その中でしっかりお店の味として個性を
訴えているのが冷やし中華です。夏は、温かいソバは食べたくありませんからね。
将棋で強くなる人は、たくさんの実戦を重ねる人ではありません。
独自のスゴい戦法を編み出す天才でなければ、勉強ができる記憶力バツグンの人
でもない。
ステップアップするためには、自分の頭の中の考える領域を拡げていくことが必
要だからです。考え方を変える、大きく捉えられるようにする。
そのために最も有効なのは、勝負が終わったあとに対局者同士で行う“振返り”
です。
「このとき私はこう指しましたが、こうだったらどうします?」
「その場合、私はこうやろうと考えていました」
「あっ、そうか。なるほど…」
という調子。これを「感想戦」といいます。
感想戦を行うことで、自分が考えもしなかったようなことを相手から学びます。
そうすることで、次に同じような場面に遭遇したときに、別の考え方ができるよ
うなるのです。これが大きい。
将棋に限らず、「感想戦」の習慣を持てるようになると、いろんなものの真理が
見つけやすくなります。
「感想戦」の効果は、同じ失敗を繰り返さないというのはもちろんのこと、他人
からなかなか引き出せないフィードバックのことばをもらえるからであります。
だから、これに目を向けるのは、人を喜ばせる仕事に従事する者にとって大切な
資質となります。放っておいても、何も変わりません。仕事というのは、どうす
ればもっと良くなるのか、の繰り返しだということです。
香港路に4月にオープンしたオーナー師父の店『許厨房』で、ランチ“天津丼+
水餃子”(840円)を頼みました。
料理を待っている間、カベに貼ってあるメニュー「三杯鶏」の写真を見ながら
「ナンだろうね、これ」と喋っていると、隣りに座っていた中国人らしきオバチ
ャン二人組が、「それ、美味しいのよぉ」と。
そんな風に言われちゃったら、頼むしかありません。
15分くらいかかるそうですが、それくらいなら待てますと。

たっぷり目のランチに加え、しばらくしてアツアツの「三杯鶏」(1,800円)が 運ばれてきました。土鍋に入った若鶏の特製ピリ辛煮込み、それをお店の人が、
目の前でかき混ぜます。石焼ビビンバみたいな感じ。シズル感というのでしょう か、こういうジュージューした音を聞かせるのも売りになりますね。それだけで、
美味しそう。ニンニクとショウガをたっぷり使い、醤油味ベースで煮込まれてい るので、食欲が増します。ビールにピッタリ。
だけど、ランチには…、クドいです。味付けも辛い。鶏の骨が面倒で、箸が止まっ
てしまいます。こういう料理は、ゆっくりたいらげるべきもの。ましてや、天津丼
もあったし。少し残った料理は、持ち帰らせてくれとお願いしました。
我々の食事が終わるころを見計らって、おそらくオーナーシェフであろう許さん
が、厨房から出てきました。そして、聞きます。
「いかがでしたか?」
私が求めている飲食店は、こういうコックさんがいるところです。
お客様に興味を持っているお店。
お客様がどう思っているかを知りたがっている限り、お店は進化し続けます。
残った料理を面倒くさがらずに包んでくれるお店も。
今度は、夜にゆっくり時間をかけてお邪魔します
オススメ度 >>> ★★★★
『オーナー師父の店「許厨房」』
横浜市中区山下町138(香港路) tel:045-633-3178
第106話 「ゆる〜いカフェ」〜ZAIM CAFE
2008/4/16
ランチの誠意は、スープ類に表れます。
テキトーなところは、ぬるい!
お茶じゃないんだから!!
でも、ぬるい味噌汁。ワカメがだらしなく寄りかかっていたりして。
市役所や大学の食堂は、間違いなくそんな感じです。
たくさん作るため、グツグツ煮込んじゃうと、だんだん味が濃くなってしまう。
だから、超弱火で。
安いんだから、いいだろうと。
いや、むしろ、ランチをやっているほとんどのお店がそうかも。
私は飲まないことが多いです。とくに、味噌汁。
スタジアムから垂直に走るイチョウ並木の大通りに『ZAIMU(ザイム)』とい
うカフェがあります。
もともとは、財務局があったんだそうで、その造り(外観)を壊さずに現在に
至るといった風の不思議な風情です。
昼時は、ランチをやってますが、全体的に味付けが濃く、味噌汁はぬるく、と
てもぬるく、はっきり言って何を食べてもあまり美味しくありません。
しかし、しか〜し、
それ以外は完璧です。
こんなに居心地のいいお店はない。
『ZAIM』のいいところは、店員が売上げに興味なさそうなところ(ちなみにラ
ンチはドリンク付きで750円から)。どうしてそう思うかというと、お客さん
に干渉しないからです。
愛想はいいんですよ。でも、「食ったらとっとと出ていきやがれ」みたいな光
線はナシ。「どうぞ、テキトーに」が店全体で表現されているのです。
これを演出しているのが、粗大ゴミから拾ってきたみたいな不揃いのイスや
テーブル。並べ方もテキトーです。
そして、天井が高い。
明かりとりの窓が多く、中庭にいるような感じ。
アジアというか、ニューヨークというか…創作意欲がかきたてられます。
なので、私にとっての書斎代わり。あまり、混雑しない(知られていない)の
もマルです。
いいですか、食べ物は美味しくありません。
だけども、居心地度500点。超オススメなのであります。
オススメ度 >>> ★★★★
「ZAIM CAFE」 神奈川県横浜市中区日本大通34
tel:045-222-7030
URL : http://www.zaimcafe,com/
第105話 「ごはんで一杯」〜慎
2008/3/12
日本人の主食はコメではあるが、どうもそのへんにこだわりのない人が多い気
がします。古米や古古米に慣らされたというか、主役のおかずは問題視するけ
ど、助演の男優は誰でもいいみたいな…。この業界(?)の評価は、あくまで
も何膳食べられるかという“量”であって、“質”のことまで言及されない歴
史があったように思います。
でもそれは、若いころの話。
歳を重ねて、たくさん食べられなくなれば、よりよいものをと考えるようにな
ります。“ひとめぼれ”がどうだとか、炊飯器はこっちのほうがいいとか言い
出したのは、最近なのかもしれませんね。それだけ豊かになったのと、高齢化
が進んだということです。
さて、関内・馬車道に『土鍋ごはんと旨い酒・おかず割烹「慎」』というお店
があります。すごいでしょう?店の名前は短いけれど、前にくっついているキ
ャッチが土曜ワイド劇場みたいになってます。
ここの“売り”は、もちろんごはん。炊き上げるときに使用している水にまで、
こだわっているんだそうですが、土鍋で炊いて少しおこげがあるごはんは、ふ
っくらつやつや、風味もよく、もう堪りません。
ランチの焼魚定食1,000円は、オフィス街のこのあたりの相場からすると、2
割増という感じですが、たまの贅沢にはいいんじゃないでしょうか?
ごはんの美味しさが堪能できることを保障いたします。
ちなみに夜は、デザイナーズレストランといった感じで雰囲気よく、日本酒も
揃っています。なめこの味噌汁もマル。
オススメ度 >>> ★★★
「慎」横浜市中区相生町4−65ポラリス1F
tel045-315-3223
第104話 「野菜の万国博覧会やぁ〜」〜カレーハウスキッチン
2008/2/21
江戸幕府が鎖国を解いた経緯より、たいていの洋物は、横浜から入ってきた歴
史があります。鉄道、ガス灯、水道、クリーニング、西洋理髪店、ガソリンス
タンド、ホテル、テニス…食べ物でいえば、ビール、アイスクリーム、サラダ
…そしてカレーライス。いろいろなものの発祥の地になっております。
中田横浜市長は、中でも“カレーライス”がお気に入りで、市民との対話集会
を「カレーミーティング」として継続的に行ったり、観光プロモーション事業
の一環として「ハマカレープロジェクト」というものを立ち上げたりしていま
す。
このプロジェクトから“ハマカレー”の100店に認定されたのが、伊勢佐木
町・有隣堂の裏手にある『カレーハウスキッチン』です。
カウンター形式の店内は、大勢で行くには不向き。カレーって、そういう食べ物かも。
この店の一番人気は“野菜カレー”です。 何と言っても、具の種類が圧倒的で、笑えます。
確認できたのは、パプリカ、ピーマン、ズッキーニ、ニンジン、ジャガイモ、
サヤエンドウ、インゲン、オクラ、ししとう、アスパラ、ゴボウ、タケノコ、
レンコン、サツマイモ、カボチャ、ブロッコリー、カリフラワー、ナス、シイ
タケ、ホンシメジ、エリンギ、ヤングコーン、エダマメ、ソラマメ、大豆、ギ
ンナン、水菜、山芋、うずら卵、プチトマト、カブ、かいわれ、キュウリ、ほ
うれん草、カシューナッツ…。
クワイも天ぷらの形で参加してました。
お店の話では、50〜60種類とのこと。日によって少しずつ変わるので、店の人
も正確な数字はよく分からないみたいです。
これをヘルシーと言わずして、何と言いましょう。すごい。
ちなみに、カレーのルーの存在は薄く、野菜煮込みカレー風味といったメニ
ューだと思ってください。カレーとして期待しちゃダメ。
野菜不足を感じたときに、是非行きたいお店であります。
オススメ度 >>> ★★★
「カレーハウスキッチン」横浜市中区末広町2-5-1
tel045-261-5652
第103話 「化学調味料不使用店」〜一楽
2008/2/11
最近、『三日でやせる!キャベツダイエット』という本を買いました。
やり方は簡単で、食前にザク切りのキャベツを生のまま、六分の一ずつ食べるというものです。二日で止めました。無理。
飽きるし、つまらないからです。
よく、トンカツ屋さんでキャベツお代わり自由というお店がありますが、そんなに食べられるものではありません。生の場合。
和食では、ほとんど無視された存在のキャベツですが、火を通すと俄然、実力を発揮します。
「ロールキャベツ」「野菜炒め」そして「回鍋肉(ホイコーロー)」です。
今回は、中華街大通りから『一楽』を。
このお店“化学調味料不使用”を公言している中華街で数少ない店のひとつなんだそうです。
ランチメニューから「回鍋肉」(630円)を注文しました。
豆板醤が控えめで調理されており、あっさりしています。辛さ控えめの「回鍋肉」。

やはり、薄味のほうが料理の旨みがよく分かるような気がします。
美味しいし、なんといっても値段がリーズナブルです。
同時に注文した「麻婆豆腐」(1050円)は今イチでした。
「マーボー」は、専門店の『辣』(第6話参照)と比較してしまうと、どこもかないません。採点が厳しくなってしまいます。
オススメ度 >>> ★★★
「一楽」横浜市中区山下町150(中華街大通り)
tel045-662-6396
第102話 「薬膳青菜ソバ」〜米素多奈粥
2008/2/5
餃子に農薬が混ざっていたという話が出てくると、「やっぱり中国製は…」となってしまうけど、
それと中華街の食事は関係ありません。今回の事件は、意図的なものを感じますし、徹底的に捜査をしてもらいたいところです。
それはそれとして、中華料理で気になるのは、化学調味料の存在です。
もちろん、ほかの料理にも見られますが、中華ではとくに多用される傾向が強く、
来店するなり「化学調味料を入れないでください」という人もいるようです。
確かに、中華具材のお店を回ると、これはちょっとと思われるような怪しげなものもあり、ほどほどにしなければと考えてしまうことがあります。
だから、味付けが濃すぎるものは、避けるようにしています。
食べ終わったあとに、やたらに喉が渇くような料理もノーと。
ここのコーナーでは、薄味のお店の評価が高くなっているのは、そのせいです。
さて、今回のご紹介は、広東道にひっそりと佇む『米素多奈粥』で、ミスターネイビーと読みます。中国にはカタカナがないので、 外来語表記は一つひとつが当て字になるとのこと。「誰が決めるの?」と中国人に聞いたら「新聞社?…分からない?」と言っていました。
ヒラリーとかオバマとか固有名詞は続々と出てくるので、油断してると誰のことか分か

らなくなっちゃいますね。不思議な話です。
メニューの中から、「薬膳青菜ソバ」(800円)を注文。
お店のママさんから「体調はいかがですか?」と質問されたので、「最近、寝つきが悪くて困っています」と答えると、
そういう時に良いスープを配合して調理してくれました。
さて、お味は?
ビックリするほどさっぱりしています。すこ〜し、苦味がありますが、それはそれで心地よい苦さ。
なんだか効きそうな気がします。せっかくなので、スープは全部飲み干しました。食べ終わっても、喉が渇きません。いい感じ。
中華街の雰囲気を味わいたい方には、おススメできませんが、近くにお勤めの方、お住まいの方は是非どうぞ。
「ニラ炒飯」(600円)も美味しいですよ。中華街のお店では珍しく、とってもいいお米を使っているのが分かります。
オススメ度 >>> ★★★★
「米素多奈粥」横浜市中区山下町152(広東道) tel:045-664-1903
URL : http://www6.cds.ne.jp/~car/mr_navy/index.html
第101話 「チャーハンの達人」〜海源楼
2008/1/30
テレビ局が制作費を安く抑えるには、旅番組かグルメ番組だというのを「田舎に
泊まろう」とか「元祖!でぶや」を通じて証明したのがテレビ東京です。「出没!
アド街ック天国」もこの手のバラエティのさきがけですね。そして、「テレビチャ
ンピオン」の「○○選手権」シリーズ。
とくに食べ物を扱えば、取材スタッフにも余禄があり、好評でありましょう。
そういうの、何回か立会いましたが、事前の打合せが必ずありますから。
しかしながら、他局が取り上げるようになると、新奇性がなくなります。
次に、正攻法で美味しさを伝えるにも限度がある。彦摩呂独特の言い回しだって、
半年ぐらいしか持ちませんでした。
かくして、グルメ番組は、第三ステージのボリュームに辿りついたのであります。
それも、ジャイアント白田じゃダメで、ギャル曽根みたいな痩せてるちっちゃな
女の子で。
だけど、バケツ一杯のカレーをだらだら美味そうに食ってるなんて、そんなのど
うかしてます。まぁ、見るほうも見るほうですけどね。
今後、グルメ番組がどのように進化(?)していくのか、注目です。
さて、今回ご紹介するのは、中華街大通りにこじんまりしたお店を構える『海源
楼』です。周辺に『牌珍楼』や『同發』など大型店が林立しているので、見逃さ
れがちな小ささですが、なかなかどうして…。
私は、昼食には事務所の子と二人で行くことが多いです。
その場合、オーダーは二種類とって、シェアします。
この日は、オーソドックスに五目チャーハンと五目やきそばを頼みました。
チャーハンにくっついている中華スープは、注文が一人前なので一つだけなのが
普通だと思うけど、この店では二つ出てきます。気持ちの問題。ジャスミン茶の
つぎ足されるタイミングといい、気配りのいいお店です。
そして、オススメなのは、五目チャーハン。レタス入り炒飯の上に薄い衣で揚げ たエビが乗っています。食感がいいのと、塩加減が絶妙。お米のパラパラ感もグッ
ドです。
匠の技を感じました。最新の中華街チャーハンランキング、私の中で第1位です。
オススメ度 >>> ★★★★
「海源楼」横浜市中区山下町149 (中華街大通り) tel:045-641-1315