
講演の仕事は、全国各地で行われるため、習慣の違いからいろんなことを発見するチャンスに恵まれている。それで、移動時間を利用して、気づいたことをメモするのが習慣になってしまった。 そんなわけで、ときどき覗いてみてください。(若林 健)
DOSA日記とは…社員教育を行いながら、気づいたことをドッサリまとめたもの。ドサ廻りの意味ではない。念のため。
6月1日(月)
先日、法事があって、過去帳の話になり、私の先祖は藤堂高虎の家来であったと
聞かされました。
「とうどうたかとら〜?」
日本史で習った覚えがないので、ナイツ風にヤホーで調べてみると、戦国から江
戸時代前期にかけて、何度も主君を変えた武将として有名(?)で、築城技術に
も長けていたことで知られているようです。
忠義を重んじる戦国の世では、珍しい柔軟な考え方ですが、余程、自分の生き方
に自信があったのでしょう。周囲の家臣クラスには嫌われるものの、秀吉や家康
には重用されていたと言います。混沌とした時代にあって、いろんな個性がぶつ
かりあっていたんですね。その三重県藩主のそのまた家来が、私の先祖でした。
今は一人の親戚も残っておらず、実際のところ、よく分かりません。しかし、若
林という姓は、三重県に多いとのこと、だそうです。
何度も主君を変えた武将の家来
う〜ん、何かサラリーマンの悲哀を思わせますね。いい会社、選ばなくっちゃ!!
6月1日、三重県は忍者の里“伊賀”でJA共済連での講演を行いました。タイ
トルは、いつものように『人口を読む』です。
今回は、JAが数年前から全国展開している“サンキューキャンペーン”が何の
ために行われているかの背景を、人口動態統計をもとに、具体的に説明していき
ました。
人口減少社会においては、売上げにこだわった営業展開をしていると、あちこち
に綻びが出てきます。周辺の業界で起きているパターンは、価格競争の消耗戦で
あったりしますよね。これは、売上げが伸びたとしても、利益が出ない。よって、
相手を叩き潰すまでの我慢比べみたいになっていくのです。
保険業界の場合、客単価を上げることが至上命題となりました。
つまり、一人のお客様に複数の商品を買っていただく。
そのために重要なのが、普段の訪問活動というわけです。当たり前なんだけど。
一般に生命保険は、スクラップアンドビルドの戦略で、数字を伸ばしてきました。
親戚や友人を2、30人取ってくれば、それでいい。そういう人を雇っては、ク
ビにする。そんな感じです。だから、会社側からは、契約者の顔が見えない。
どんな人が何を考えているかを知ろうとしない。
そんな歴史を繰り返していました。
だけど、それでは、客単価アップの戦略を展開できない。そこで、最近、CMを
使って。やたらにキレいなオネエサンが訪問します、みたいなことを言ってるん
です。
それでも、営業職員は指示に従って動くので、まだいいのかもしれません。
これが、代理店制度を敷いている会社の場合、笛吹けど兵踊らずのことが多く、
DMのみに頼るようなしょぼいやり方しかできなかったりするのが現状なのです。
お客様なのに、会ってもらえない。あるいは、お客様に会おうとしない不思議さ。
その点、JAの場合、家の中に簡単に入れます。用事だってある。業者というよ
りも仲間だと思われていますからね。これは、ハードルが低い。そこへもってき
て、アンパンマンや仲間由紀恵が援護します。“仲間”ってのがミソなんです…。
こういう仕組みをいち早く考えた本部の人は、素晴らしいですね。どちらかと言
えば、営業志向でない人も動きやすいような仕組みを創り出しました。
これこそが戦略であると、改めて思いました。
5月13日(水)
自らを“サッカー馬鹿蔵”だと名乗るお笑いタレントがいます。
どんなことでもサッカーにたとえてしまうネタで、トークを膨らましていく手法
ですが、これはなるほどですね。自分の詳しいことにたとえてみれば、いろんな
ものの理解が深まるってこと。
たとえば、語学に堪能な人は、三つや四つの国の言葉を平気でこなします。 パターンは似ているんだとか。それと似たような話です。
たとえば、器用な人は、自分が器用なことで経験値が上がり、どんどん器用に なっていくものです。
同様に、詳しいジャンルを複数持っていれば、似たような話を見つけるとっかか
りが多くなって、より早く、より深く、そのことについて理解できるようになるんで す。好奇心が旺盛で多趣味な人は、そのことによってさらに世界が拡がって
いく。面白いですね。
だからこそ、若いうちにいろんな経験を積んでおきたい。
自分自身のキャパシティが大きくなると、問題を解決する能力がグーンと上がる
のです。
5月13日、アフラック料金第二部で新人研修を行いました。
タイトルは、「コミュニケーションを考えよう」。
いろいろやっておりますが、私は新入社員に対して行う研修に一番のやりがいを
感じています。それは、まっさらだからです。素直であろうという気持ちこそが、
その人間を豊かにする。会社で出世しない人は、総じて素直じゃありません。
素直でない人は、自分を変えようとしないんですね。周りが変わると思っている。
だけど、それは甘い。頑固だと言われている人は、少し考えたほうがいいかも。
そして、学校が同質の人間集団であるのに対し、会社は異質の人間集団です。
異質とは、年齢・性別はもちろん、それぞれの価値観が違うということ。ここが
大きいのです。コミュニケーションが苦手だという人は、価値観が多様化してい
ない人ともいえるでしょう。意識して、価値観を拡げることで、他者を認めるこ
とが可能となるのです。
他人の欠点は、すぐ目につきます。しかし、長所はじっくり観察しないと気づき
にくい。“美点凝視”を意識することが、コミュニケーション能力を高めるコツ
である。そんな話をさせていただきました。
2月23日(月)
昨年のセ・リーグ新人王は、ジャイアンツの山口鉄也投手でした。
この選手、高校時代は無名でどこからも声がかからず、アメリカのルーキーリーグでの武者修行を経て、2005年にようやく巨人のテストに合格し、育成枠で拾われた形になっていました。 ちなみに、同じ年、ベイスターズとイーグルスのテストでは不合格だったとのことです。
そんなその他大勢と全く期待されていなかった山口投手がきっかけをつかんだのは、当時二軍で調整していた同じ左腕の大エース工藤公康との出会いでした。
工藤といえば、現役最多の222勝投手で45歳の大ベテラン。親子ほどの年の差にも物怖じせず、貪欲な質問を繰り返したと言います。その挙げ句、2006年オフの工藤投手の自主トレキャンプへ同行することを希望し、実現させました。このとき山口の年俸は240万円。自費での参加は、大胆な決断だと思うけど、彼はそうは考えていません。
自分に投資したのです。
その後の山口投手の躍進は、ご存知のとおりです。
2007年に支配下登録されて、一軍でも32試合に登板。2008年は、中継ぎエースとして11勝をあげて優勝に大いに貢献し、リーグ新人王に輝きました。
技術的には、日本ハムの武田勝投手から教えてもらったシュートを習得して、投球の幅が拡がったことが挙げられているものの、それも工藤投手との出会いがあったからこそ。
たまたまのタイミングで二人が出会ったのは“運”だという見方もありますが、それを引き寄せたのは、山口自身の行動力。そして、相手が面倒を見てやろうという気持ちにさせる“素直な心”ではないでしょうか。
こういう生き様に接すると、まだまだ教育の可能性に期待が持てると思ってしまいます。人生は、考え方次第なんだなぁ。
WBC代表に選ばれた山口投手。これからしばらくの間、一流の仲間に帯同するわけですが、今後のさらなる飛躍が楽しみです。
2月16日(月)
銀行振込み手続きのついでに、『トラベルカフェ』に立ち寄って、クロワッサン・モーニングセット(380円)を注文します。太っている人は、自然とカロリーの高いメニューを選ぶもの。ソツがありません!?
このお店、日本旅行とタイアップしたカフェテリアだそうで、旅行のパンフを見ながらコーヒーを飲む。その居心地のよさもあって、店舗数を伸ばしていると聞いています。
そうですよねぇ、コラボというかアライアンス戦略。
人口減少社会においては、この形が解決への道であります。従来のものに付加価値を与えようとする発想が素晴らしい。こういう考え方が、保険業界に求められております。保険のサービスショップは、オムロンやタニタとも付き合ってほしいんだなぁ。
コーヒーを飲んでいたら、ソーサー(受け皿)がシンメトリーでないことに気付きました。カップを受けるくぼみが中央に配置されておらず、片側に少し寄せたデザインになっています。 これは、広く空いたスペースにミルクポッドや砂糖、スプーンが置くためだとのこと。なるほど、考えてますねぇ。
こういうのって、ボーっとしていたら、見逃してしまうかもしれません。
いえ、ボーっとしてなくても、意識が向かなければ気がつかない。それは、
人は意識していないものは見えない
からです。つまり、意識のスウィッチが低く設定してあると、見えない(気付かない)ものだらけとなってしまう。これが、広報マンだとすれば、マズいよ、そういうの。
企業において、広報セクションの人間は、最も客観性を求められています。
社内でしか通用しない会社語を翻訳して、世の中に伝えていく役目があるし、企業が抱えているリスクや風評を早い段階で察知して対応を考えるとき、大事なのは相手がどう思うかだからです。
したがって、最大の資質は“好奇心”。 興味の幅が拡がることによって、電波の届く範囲が拡大する。つまり、見えているものが多くなるという図式なのです。
2月16日、アフラック広報部社員を対象に、「アフラックのオンリーワン戦略」というタイトルで勉強会を行いました。
エラそうに言いますが、私はここの広報課と社会公共活動推進課の初代課長だったこともあって、このセクションには特別の感情を抱いております。 なので、伝えたいことがたくさんある。
企業は、トップが交替すると経営の方針が変わったりするので、個々の社員にはそれにアジャストしていくことが求められますが、そんなことを繰り返しているうちに、いろんな制度や仕組みがどういう経緯で誕生したかとか、何故、そんな形にできあがったのかということが抜け落ちてしまうことがあります。その結果、やっていることの目的ですら、見失ってしまうこともある。だから、会社の歴史を振り返ることが、広報の人間にとって大切だというのが、一番の思いを込めたメッセージでありました。
2月9日(月)
金融業界は、サービス業のひとつとして位置づけられています。
しかしながら、これのレベルが低い。
お客様をお客様として見ていないようなところがあります。
今どきは、単価の安いコンビニだって、そこそこの愛想をふりまくようになっています。あの悪名高かったタクシー業界だって、見違えるほど対応が良くなりました。
それなのに、金融業界はリストラの影響でしょうか。それとも、コンピュータ化が原因なのか、むしろ悪くなっているような気がします。
その元凶は、業界をリードしていた銀行のせいだと思います。
お客様との間に垣根を作り、番号札を用意して平気で待たせる。もちろん、お茶なんか出ません。歓迎ムードなし。彼らにとって、サービスとは機能があるということだけで、人間の存在を感じさせないのがスタイルだと。
この銀行こそが、一番素晴らしいとマネする経営者が保険や証券のトップに多いのです。
ネームバリューがステータスで、ボリュームが正義だとする偏差値志向。
だけど、今や大半の銀行が斜陽の一途です。マネなんかしちゃ、いけません。
マネした方がいいヒントは、異業種にあります。
「この会社の考え方をウチに当てはめると…」という風に考える。
そうすることで、アイデアは無限に拡がっていくのです。
2月9日、東京海上日動火災・岐阜支店で「お客様の育て方」をテーマに講演を行いました。 対象は、『ロータスクラブ』という自動車整備関連の代理店の集まりです。代理店といっても、いつものようないわゆる保険専門代理店でなく、中小企業の経営者たちが対象。 事業のひとつとして、損害保険があるというイメージです。 この場合、保険の仕事をどのように位置づけるかがポイントになる。つまり、考え方を提示していくのが保険会社サイドの切り口であり、その援護射撃が私の役目だと考えています。
お客様は、いろいろです。
ブティックでいうと、ピタッと張り付いて説明してほしいというお客様がいるかと思えば、いちいちまとわりつかず、こちらが選ぶのを黙って見ていてほしいと考えるお客様もいます。
だから、サービスに携わる者は、この両極端に対応できるよう備えておかなければいけません。
コミュニケーション力とIT関連の能力。
学ぶべきことは、山ほどあるのであります。
1月22日(木)
東北新幹線ホームのキオスクに、“駅そば(風味)”と書かれた缶詰がズラッと並んでおりました。
「おそばの缶詰??」
面白いじゃないですか?よく見ると、コンニャク麺使用だって。46キロカロリー。
温めず、そのまま食べられるんだと。こういうのは、値段を見なくても買います。
マズくても結構、ネタになる。
横浜育ちの私は、もちろん「関東風」を選択しました。味付けが「関西風」と二種類から選べるのもなかなかです。
で、座席に持ち込んで、いざ、プルトップを持ち上げると…
これ、8割以上の確率でこぼれます。つゆだくなので。ここんとこ、どうよ、ナントカ食品?
肝心のお味のほうは、しょっぱくて不味いです。何より、細長い缶にちゃちなフォークを突っ込んで食べている様子を周囲の乗客に見られるのが恥ずかしい。一人旅の突飛な行動は目立ちます。そして、食べ終わった後の処理に困る。つゆだくですから二次災害も。
結論。 絶対に買ってはいけません。 後味も悪いし、低カロリー以外に取柄なし。ちなみに、値段は300円でした。
面白い話をするためのキーワードは、“好奇心”です。人の話は、自慢よりも失敗談のほうが空気を丸くできますからね。この場合、まずいものの取材をしたってことです。
1月22日、宮城県の秋保温泉に東北六県の生協系代理店が集まり、「お客様の育て方」のメインタイトルで、サービスマインドに関する研修会を行いました。
お客様の喜ぶ顔が見たいと本気で思うことができるかという、いつもの内容です。
一般に生協のお客様は、値段よりも安全をという健康志向が強い方が多いので、生命保険業務にぴったりと噛みあいます。組織の中での位置づけや仕組みを考えれば、驚異的な成長さえ見込める今どき数少ない有望市場です。
情報交換を兼ねて、こういう勉強会を年に数回行っているとのことで、与えられる刺激の違いによって、この業界は優勝劣敗の格差がますます拡がっていくなぁと強く感じた次第であります。
終了後、アフラックの営業社員に近くで購入してきたらしいビニールのジャンプ傘を渡されました。
「これ、持っていってください」
雨模様のどんよりした天気ではあったものの、行きがけに降っていなかったので、私は傘を持っていませんでした。現地もほとんど必要がない程度の霧雨。「ありがとう、でも、いいよ」と断ろうとすると、
「iモードで調べたら、横浜は確率40%でした」
なるほど。教育は奇跡を起こします。
夜10時、地元横浜は、しとしとと40%が降り続いておりました。
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